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コピルアク Muria山のアラビカ 何もたさない、何もひかない・・・

2013.3.16

インドネシアはご存じの通りイスラム教徒が大半を占めております。国民の9割ほどがイスラム教徒とも言われており、イスラム寺院であるモスクも街中、田舎問わず至る所で見ることが出来ます。

 

日本人にはほとんどなじみのないイスラム教ですが、よく知られているのは「豚肉を食べてはいけない」、「酒を飲んではいけない」、「女性はスカーフを身につけなくてはいけない」といったところだと思います。

 

そしてもう一つ有名なのが「断食月」です。「断食月」があるということは知っている方も多いですが、「断食月」とは一体何か?はあまり知られていないと思います。

 

この断食月、「ラマダーン」と呼ばれておりますが、期間は約1か月。この間完全に断食をするわけではなく、日の出から日の入りまでの間の飲食が禁止されています。つまり日が沈んでいる間は飲食をしてOKなのです。

 

ところがこの断食月以外でも自主的に断食をする人というのがインドネシアにはいます。宗教的な意味合いとは別なもので、特に年配の方に多く、1か月のうち1週間くらいはラマダーンと同じように断食をするわけです。

 

その理由というのは、ズバリ「断食は健康に良い」という説があるからであります。これはもちろん人によってそう感じる人、感じない人あるかと思いますが、何人かインドネシアの老人で自主断食をする人に出会ったことがあります。

 

私のPatiの借家の大家さんはおそらく70歳の半ばくらいなのですが、義理の母は90歳を超えております。しばしばこのお婆さんを見かけることがあるのですが、かなり健康そうに見受けられます。

 

相棒のイカサンにこの話をしたところ、実はこのお婆さんは健康に良いという理由から自主断食を行っており、1か月のうち1週間程度はラマダーンと同じ生活をしているとのこと。もちろん若い時分からこの生活をしており、健康を保つ秘訣であると考えているようです。

 

ラマダーンの間、日中断食をしているとどうやらそれは健康に良いと感じる人がいるようで、この宗教行事も意外な良薬を一部のインドネシア人にもたらしたのかもしれません・・・・。

 

さて、話をMuria山のアラビカに戻したいと思います。

 

弊社のコピルアックはMuria山で採れたアラビカ種のコーヒーをジャコウネコに与えております。そしてジャコウネコを飼育しているKelet近辺のアラビカコーヒー農家というのは、本業はコメ作りでコーヒー栽培が副業という位置づけになります。

 

そのためコーヒー作りにかけることが出来る労力というのはあまりなく、また稲作ほどにはコーヒーは儲かる商売ではないため、お金をかけずにコーヒー栽培をする必要があります。

 

以前Jollong(同じムリア山のコーヒー産地)のコーヒー農家からコーヒー栽培の話を聞いたことがあるのですが、コーヒー農家の仕事というのはコーヒーの赤い実の摘み取りだけではなく、コーヒーの木のメンテナンスが重要で、収穫期以外でも蟻の除去剤や肥料の類を木に与える必要があります。

 

これはコーヒー栽培を主な収入源にしている農家の話です。そしてこういったメンテナンスに必要な農薬の購入費というのは出費の中でも多くの割合を占めるようで、コーヒー農家のつらいところということでした。

 

ところがKelet側のアラビカ生産農家では本業がコーヒー栽培ではなく、この章でお話ししたようにインドネシアではアラビカ種というのはロブスタほどの需要が無いため、アラビカの生産のために費用や労力をかけたくないのです。

 

こういった理由から、Kelet側のアラビカ生産農家ではコーヒー栽培で農薬は一切使用していません。

 

以前聞いたKeletのアラビカ種のコーヒー栽培農家の話では、シンガポール経由でヨーロッパにKeletのアラビカを送るため、バイヤーがしばしば買い付けにやってくるようです。これは彼らが「無農薬」のコーヒーを求めていること、そして味が良いことが評価されているからとのことでした。

 

何度か普通のKeletのアラビカを焙煎し飲んだことがあるのですが、確かに美味しいと感じました。無農薬のコーヒーはあまりおいしくないとどこかで聞いたことがあるのですが、Keletのアラビカというのは飲んだ瞬間「あ、これはなんか違う!?」とすぐにわかるかと思います。

 

「何もたさない、何もひかない・・・・」

 

どこかで聞いたフレーズですが、Kelet近辺のアラビカコーヒー農家ではオランダが持ち込んだコーヒーをずっとそのまま品種改良などせずに、なすがままに育てております。

 

「ラマダーン時期に体調がよくなった」というのは良い副作用といえるでしょう。そしてコメの兼業農家が栽培するコーヒーが労力、費用の面から無農薬栽培になったというのもまた喜ばしいことではないでしょうか。

 

PatiのPanjunanの精製所で撮影した写真です。このご老人、自主断食をしているかどうかは分かりませんが健康そのもののようです。製造主任のGyantoの親戚で、コピルアック精製の作業では「見張り役」を担当してもらっています。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki