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コピルアク(コピルアック) インドネシアの洋館とコーヒーの関係

2012.10.01

皆さんが「インドネシア」と聞いて思い浮かべるのはおそらく「バリ島」、「きれいな海」、「ジャングル」、「ジャカルタ」といったところだと思います。

 

私はこのうち前の2つはまだ見たことがありません。いずれ思う存分体験したいと思っています。
 

LJAインドネシアは中部ジャワ州のPatiという街にあります。中部ジャワ州の州都はSemarang(スマラン)で、名前だけは聞いたことがあるという方も多くいらっしゃるかと思います。ジャカルタほど都会ではないものの、スマランの人口は3000万人を超える大都市で、Patiからも多くの人がスマランに出稼ぎに行っています。スマランから東へ100㎞ほど行ったところにPatiがあります。車で約4時間の距離です。
 

スマランから北東へ100㎞ほど行ったところにMuria山という山があります。標高は2000メートル以下の山ではありますが、中部ジャワでは比較的有名な山です。
 

その理由の一つは、イスラム教の布教に尽力した聖人の墓地があること。もう一つは16世紀にポルトガルがジャワ海から侵略をした際の防戦基地の名残がMuria山の海に面した側にあることです。
 

ご存じの通りインドネシアは17世紀よりおおよそ300年間、オランダの支配下に置かれておりました。今もその名残をしばしば見かけることがあります。
 

ジャカルタからの出張からPatiに戻る際、夕方急きょお客様の要請でスマランに一泊することになりました。その日はちょうどラマダン(イスラム教の断食月)の終わりころで、どこのホテルも満員だったのですが、夜、お客様の車でいろいろホテルを探しているうちにやっと一つ部屋が空いているホテルを見つけることが出来ました。
 

このホテル、普通のビジネスホテルのように大きくはないものの、中はたいそう立派で快適に一泊過ごすことが出来たのですが、朝起きて外からホテルを改めて見てみると、いわゆる洋館風であることに気が付きました。ホテルの人に、「部屋はたいそう立派ですね」と伝えると、このホテルは昔、オランダ統治時代に立てられたもので、オランダ人の家を改造したものだとのこと。
 

スマランをうろうろしていると、たまにこういう建物に出くわすことがあります。
 

あるとき相棒のイカサンが私に、ある白塗りの大きな建物を指して「あの建物、今はスマランの役所として使用されているが、昔はこの建物の地下でオランダ人がインドネシア人を処刑する刑場があったんだ」とのこと。
 

実はPatiにもそういった爪痕を見ることが出来ます。たとえばサトウキビ畑です。
 

オランダは統治時代、砂糖を大量に輸出しておりました。もちろん安く仕入れて高く売れば儲けは大きくなります。そのため、今まで水田であったところを強制的にサトウキビ畑に替えさせて、ただ同然で砂糖を製造し本国に送っていました。主食の米が作れなくなった人々は食糧不足で苦しんだと言います。
 

スマランを除く中部ジャワの各都市の基本産業は農業と水産業です。Patiもその例にもれず両産業が盛んですが、サトウキビ畑と砂糖の精製工場が多いのは2世紀以上前のプランテーション政策の名残と言えます。
 

コーヒーもまたしかりでした。
 

このMuria山はコーヒーの一大生産地でもあります。インドネシアの山間部では至る所でコーヒー栽培をしています。Koki’s Kopi LuwakはMuria山にあるKeletという地域で飼育されているジャコウネコのから排出されたコーヒー豆を使用しております。
 

PatiとKeletはさほど遠くない為、しばしば足を運び養猫業者の仲間たちとよくいろいろな話をすることがあります。
 

オランダ統治下では、インドネシア人がコーヒーを飲むことが禁止されておりました。そのため、コーヒーを飲みたいと切望していたインドネシア人のコーヒー栽培者が、「ジャコウネコからフンとして排出されたコーヒー豆を使用するのであれば、いくらなんでもおとがめはないだろう」ということでジャコウネコのフンから豆を取り出し、精製していたことが起源になっています。
 

Keletの養猫業者の仲間たちの中には、何世代にもわたりコーヒー栽培を続けている人たちもいます。彼らに「おとがめって? もし当時インドネシア人がコーヒーを飲んだらどうなったんですか?」と聞くと、みんな声をそろえて「Mati, Mati semua!!」とのこと。
 

Matiとはインドネシア語で死ぬ、Semuaはみんな。つまり、みんな殺されたんだということです。
 

イカサンがスマランの地下刑場のあった建物を指さしながら言った言葉を思い出しました。

「この建物はねえ、いまでもお化けが出るんだよ。本当だよ。」
 

今度Semarangに宿泊するときは、洋館のホテルはやめる予定です。
 

 

                       

ジャコウネコの餌にしているバナナの木です。至る所で自生してます。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki