コピルアックブロク画像

コピルアック(コピルアク) 焙煎職人の腕前は?

2012.12.29

インドネシア(中部ジャワ州)に滞在して感じる日本との大きな違いは“バイクの多さ”ではないかと思います。

 

日本では公共の交通機関が非常に発達しており、たいがいバスや電車を利用すればどこへでも行くことが可能です。しかし中部ジャワ州ではそのような交通機関が発達しておらず、基本的な移動手段はバイクになります。

 

もし皆様がPatiに行かれたらそのバイクの多さに驚かれるでしょう。日本では車が多く渋滞が起こることはありますが、こちらではバイクで渋滞が発生します。特に朝晩のPati近郊の幹線道路は“バイクだらけ”といっても過言ではありません。

 

ここまでバイクが多いと、繁盛するのはバイク店。PatiにはYamahaとHondaのバイク店があります。そして更に込み合うのがもう一つ。バイクの修理屋です。バイク、車の修理屋をインドネシア語で“Bengkel(ベンケル)”といいます。あれだけのバイクがあれば当然修理店は必須です。大小のバイク修理店は街の至る所にあります。

 

そして最近はこのBengkel、バイクだけではなく車のBengkelも増えてきました。インドネシアの経済は堅調であるためバイクを卒業し車を購入する人も徐々に増えてきております。Patiもその例外ではありません。最近この街に初めて中古車店が誕生しました。そういった状況のため車のBengkelも必然的に増える傾向にあります。

 

この車の修理、バイクの修理とは違い“技”が必要です。車の構造はバイクのそれ以上に複雑なので簡単に技術は習得できません。そのためPatiには「車の修理を習う学校」というのがあります。いわゆる「車の修理の専門学校」です。実はここもかなりの繁盛ぶりで、入学希望の生徒は後を絶たないようです。

 

車の修理技術を習得すると生徒のほとんどの就職先は車の修理店です。しかし車の修理店で修業をし、良いエンジニアとして認められると「引き抜き」をされる可能性があります。Patiに限らず他の街でも修理店のエンジニアは常に不足状態です。そのため腕の良いエンジニアであれば多少高給を払っても作業効率が良くなるので、店としてはのどから手が出るくらい欲しい人材ということになります。

 

やはり腕に職を持つ人は強いなというのを日本から遠くはなれたPatiでも実感している次第です。

 

ところで昨日の話の続きに戻りたいと思います。相棒のイカサンが見つけてきた焙煎職人のマダムです。イカサンの話によると「相当の腕前を持つ職人だ!!」ということでした。何でも大げさにいうイカサンの話は何割か割り引いて聞く必要があります。

 

私が心配していたのはインドネシアのコーヒーは体外深煎りにしているため、このマダムも焙煎は深煎りしか出来ないのではないか?ということでした。コピルアックは深煎りにしてしまうと味の特徴が薄れてしまいます。そのため焙煎には気を使うのですが、彼女が深煎りしかできないようであればマズイな・・・・。と思ったのです。

 

そこで昨日ご紹介した本の登場になります。この本にはかなり多く焙煎の色見本が載っており、口で色を指定するのは難しかったので「このくらいの焙煎にしてください」というのを見本で示したかったのです。高いお金を払って買った数種類のコピルアックサンプルです。無駄にはしたくありません。最初はテスト用の豆で様子を見てみることにいたしました。

 

彼女は土鍋に火を入れ、豆を丁寧に煎ります。豆はあるところまで行くと「パチパチ!」とはぜる音がするのですが、彼女は色とはぜる音に注意しながら豆を煎り、火を止めます。私が指定したのは「中煎り」、写真の色はちょうどライトブラウンといった感じです。しかし彼女はかなり薄い茶色といったところで火を止めてしまいました。

 

「かなり薄いのでは?」と尋ねると、「Ora opo opo(オラ・オポ・オポ=ジャワ語で“問題ない”)」と。よく中部ジャワの人々はこの言葉を使います。しかしこの言葉はいわばあいさつ代わりのようなものであまりあてにならないのです。

 

ところが彼女のOra opo opoは本物でした。最初は“薄すぎ”に見えた生豆の色が徐々に写真の色に近づいてゆくではありませんか!! そして最終的には写真の色と同じライトブラウンに落ち着いたのです。

 

あとでイカサンから聞いた話によると、この焙煎マダムはPatiのPasarでコーヒーを販売している人の間では知らない人はいないくらいの凄腕で、この道30年のベテランとのこと。彼女は独立して一人で焙煎の仕事をしているので、車のBengkelのエンジニアのような引き抜きはありませんが、焙煎の依頼はPasarの店からひっきりなしに来るようです。

 

コピルアックのサンプル生豆は合計5つの業者から取り寄せました。土鍋で焙煎をする場合、機械で焙煎をするようにふっくらとは膨れません。しかし、今回は5社の比較が目的でしたので土鍋でも良しとした次第だったのであります。

 

彼女は焙煎のプロの為、もちろんいろんなコーヒーを飲み慣れています。しかしコピルアックは初めてということで、数日後改めて彼女の家兼職場に伺い、彼女の家族とイカサンと私で品評会をすることにしました。

 

最終的には私とイカサンで相談し、Muria山のコピルアックを選定したのですが、実は彼女の意見はとても参考になりました。こういった出会いに支えられ、コピルアックのビジネスはPatiでスタートいたしました。

 

 

この写真は品評会の後に撮影したものです。私の左の女性が焙煎マダムです。ご主人とお嬢さんと一緒です。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki