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コピルアック(コピルアク) 争いの序章

2012.12.19

昨日のブログでコピルアックの洗浄プロセスについて書いていた際、「凄腕」とキーボードに打ち込みました。その時ふと私が高校生の頃の出来事を思い出しました。

 

私が通っていた高校ではバンド活動が盛んで高校2年生ともなるとバンドを組んでライブを行う生徒も多く、彼らがいくつかのバンドグループと共同で小さなライブハウスを貸切り、友人たちを誘いライブを行う活動が流行っていました。

 

私は歌も運動も大の苦手だったのですが、友人からライブに誘われればしばしばお邪魔をしていました。当時はBOWYやプリプリ、サザンオールスターズが大隆盛でおおかたバンドを組んでいる学生たちもここら辺の曲をコピーしていました。

 

もちろん、メガデスやホワイトスネークといったヘビーメタルもたいそうバンドマンたちからは人気がありました。

 

こういった共同ライブの前後は、誰が何を歌うか、あのバンドはうまいとか下手だとか・・・・。そういった話題でたいそう盛り上がったものです。

 

高校3年生のある日、友人のバンドマンが次のライブの話をしていました。ちょっと嫌そうな感じです。「今度のライブ○○が参加するんだって・・・・」とのこと。○○?? すぐにそれは誰だかわかりませんでしたが、そういえば隣のクラスに同じ名前の女学生がいます。しかし、彼女ではないはずです。

 

高校1年生の時に同じクラスだった彼女、ほとんど口をきいた覚えがありません。地味で全く目立たない女の子でした。もちろんクラスが別になっても接点は全くありません。ただ、多少苗字が珍しかったのでふと引っかかったのです。

 

バンドマンの友人たちの話を聞いていると、「マズイ」、「今回はライブキャンセルしようか」「あ~あ」という感じの話になっています。私が「○○ってまさか隣のクラスの○○じゃないよね!? なんか問題あるの?」と尋ねると、みんなが私に言いました。「オマエ知らないのか?」と。

 

見た目は全く目立たない地味な彼女、バンドマンの間ではどうやら大変有名らしく、ものすごい歌が上手とのこと。ただしめったに共同ライブに参加をすることはないため、さほどメジャーではないのですが、彼女のライブがあるというと他校からも彼女の歌を聞きに来るほどの凄腕だそうです。

 

つまり、彼女がライブに参加すれば彼らを始めほとんどのバンドが全く目立たなくなり、ほぼ彼女専用のライブ状態になってしまうので、彼らは怖気づいていたのであります。

 

あの地味な彼女が凄腕??

 

全く信じることが出来ませんでした。結局その後、私の友人のバンドは渋々ながら共同ライブに参加を決め、私も翌週ライブハウスに行くことにしました。

 

そのライブハウスは横浜にあるあまり広くはない空間ですが、いつも友人たちが共同ライブを行う際には、スカスカとまではいかずとも、自由にフロアーを歩き回ることが出来るくらいの状態でした。客のほとんどが顔見知りで、ライブはそっちのけでよく彼らとがやがやしゃべっていたものです。

 

ところがその日は勝手が違っていました。ぎゅうぎゅう詰めで超満員です。もちろん前には行けません。知らない人が周りにたくさんいます。

 

ライブが始まりました。知ってるバンドが次々に出てきましたが、白けた雰囲気が充満していました。もちろん観衆達は明らかに待っていたのです。凄腕の彼女をです。

 

そしてついに彼女が登場しました。確かにあの隣のクラスの目立たない彼女です。淡々と舞台に登場し、そして歌いました。みんな最高に盛り上がり、私は生まれて初めて音楽を聞いてシビレルという経験をしました。

 

「これは確かに凄い・・・・」

 

彼女が最後の曲、(右のリンク先はYoutubeのため音が出ます。)Heart のNeverを歌い上げた時、隣にいた見知らぬ女の子が泣いていました。気持ちはよくわかりました。そして私のバンドマンの友人がこの共同ライブに出たがらなかった理由も・・・・。

 

コピルアックの洗浄工程について語るにはとても長い前置きでした。恐縮です。

 

さて、昨日のブログの続きです。

 

私がビール半缶のやけ酒を飲み、ふて寝をした翌朝、相棒のイカサンと製造主任のギアントは一人の女性をPanjunan村の精製所に連れてきました。Patiの街でよく見かける普通のマダムといった風情です。

 

「そういえば昨日イカサンとギアントが誰か連れてくるっていったな・・・・」。思い出しましたが、気にも留めませんでした。

 

彼女には昨日のブログで書いた工程、A-B-ざる―C-D-E-F-G の中で、Eの工程を担当してもらうことにしました。ここは洗浄の中でもあまり負担のない個所になります。私は当然もっともきつい「ざる」を担当しています。

 

しばらくはいつもの通り作業を進めていました。ところが、新しく来たこのマダム、何事かをイカサンとギアントに言っています。最初は気にも留めませんでしたが、作業が遅れるのが嫌なので、何を議論しているのか割り込むことにしました。

 

「ひょっとしてあまりのきつさにもう音を上げちゃったのか?? まだ30分と経ってないぞ!?」

 

イカサンとギアントは何かを私に言いたいようですが、なんだか言いづらそうです。しびれを切らした彼女は私に向かって言いました。

 

「アンタ、この洗浄工程あんまりよくないんじゃないのかい!?」と。

 

そういえばイカサンとギアントが昨日「凄腕」がどうのこうのといっていたのを思い出しました。そして彼らが私に何かを言いづらそうにしていた理由もわかりました。この工程を作った私の苦労を彼らは知っていたからです。彼女はこのプロセスに、ケチをつけていたのでした。

 

「御意見無用」

 

私の愛する言葉の一つです。しかしボスである私は自分の度量と寛容性を彼らに示す必要があります。そして無理やり意志の力で口角の筋肉を持ち上げマダムに言いました。「Opo Opo(何か問題でも)??」

 

「いかがいたした?」暴れん坊将軍のマツケンを目指したつもりでした。しかし、引きつった顔を悟られないようにするのが精いっぱいでした。そして他称「凄腕」との洗浄プロセス論戦が始まりました。

 

 

Panjunanにあるコピルアックの精製所で撮った写真です。左からイカサン、ギアント、私となります。

 

Samapi Jumpa Lagi,

Koki