コピルアックブロク画像

コピルアック(コピルアク) おいしいコーヒーとチーフマダム

2012.12.16

インドネシアのテレビというのは結構バラエティーに富んでいます。昔日本のテレビで放映されていた「料理の鉄人」や「筋肉番付」のような番組、クイズ番組、グルメ番組など盛りだくさんです。

 

そして私がしばしば見ていたのは、あるインドネシアのトレンディードラマです。題名は忘れしてしまったのですが、週7日毎日放映していました。優しい女性と正義の味方の男性、詐欺師の男と性悪女が相乱れ、ドラマが展開してゆきます。

 

このドラマに出てくる主役の女優Nikita Willyはテレビでの露出度が高く、ドラマの中では若くて優しい正義感の強い女性として扱われています。対する悪役の女優、Googleで調べてみるも検索に出てきませんでしたが、美人ではあるものの悪役がビタリとハマる良いとこナシの女優です(ドラマ設定では)。

 

さて、私自身中部ジャワの田舎で暮らしてみて、男性女性共にいろいろな接点がありますが、男性に関していえば結構温和な人が多いという印象があります。あまりせかせかせず、嫌なことがあってもよほどのことが無い限り怒りを外には表しません。何か自分に不利益があった場合でも「まあいいか」と自己解決してしまうことが多いようです。

 

ところが女性に対しては正反対の印象があります。自己主張が強く、人に厳しいといったところでしょうか・・・・。以前この章で少しふれました、Panjunan村の事務所兼自宅の大家のお婆さんも私の生活態度に関して監視の目を緩めることはありません。

 

「アンタ昨日夜中の3:30ころKamar Kecil(風呂)でシャワー浴びたろ?? 何をそんな遅い時間にシャワーなんか浴びてんだい!?」。実際にそんな夜中にはシャワーを浴びていないのですが・・・・。

 

また私を台湾人と頭から決めつけるNasi Gandul(ナシ・ガンデゥール=Patiの郷土料理)のWarung(屋台)のマダムも「アンタRp10.000の食事になんでRp50.000札なんか出すんだい!? 細かいお金出しなさいよ!!」と・・・・。

 

こちらの女性はとかく厳しく人に当たるのが好きなようです。相棒のイカサンもしばしばワイフから何事かを言われしょげているのを目にすることがあります。もちろん彼が何かをするのは必ずワイフにお伺いを立てた後です。

 

そして私をおののかせる女性の一人にコピルアック製造のチーフマダムがいます。この女性、いわば職人気質で私がいい加減なことをしていないかどうかを監視すること、大家のお祖母さん以上に厳しく、今では私と彼女の関係は親方と弟子といった感じになります。

 

彼女と知り合ういきさつはおいおい紹介をさせていただきたいと思いますが、このチーフマダム、名前をTin(ティン)さん。私はいつもBu(ブ=奥さん)と呼んでおります。コピルアックの製造工程全体の責任者はギアントなのですが、チーフは主に洗浄工程のマスターになります。

 

コピルアックの製造工程で最も重要かつ大変なのはフンをついている豆を洗浄するプロセスです。以前この章でお話ししたようにコピルアックというのは衛生上と宗教上の問題があり、フンをきれいに洗い流し、豆(パーチメント)を取り出す必要があります。

 

我々がコピルアックのビジネスを始めるにあたり、当初この工程には簡単な洗浄装置を導入し豆を洗っておりました。イメージとしては洗濯機のように槽内の水を回転させて汚れを落としてゆくものなのですが、汚れがあまりきれいに落ちず、また洗浄装置の配管がすぐ詰まりたびたびメンテナンスをする必要が生じてしまいました。

 

プロセスの効率化のために導入したこの装置ですが、結局は反対に手がかかってしまうことになり、ほとほと手を焼いていたのであります。イカサンとギアントと話し合い、最終的にこの工程は洗浄装置を使用することを止めて、人手で洗浄をするしか方法が無いという結論に至り、我々とPanjunan村の近所でお手伝いをお願いした数名で洗浄をすることにしたのであります。

 

我々はフン付の豆を隣県のKeletから購入しています。Keletのコミュニティーでも生豆にするプロセスは可能なのですが、どうしてもこのプロセスは我々自身で行いたいため、最初Keletで製造プロセスを教わったのであります。

 

その後Panjunan村でもそのプロセスを再現することが出来たため、我々も自分たちで製造が可能であると確信したわけなのですが、やはり量産と試作では状況が異なります。

 

製造業に携わったことのある方でしたらこの苦労はご存じだと思います。試作でプロセスが確立できたからといって、そのプロセスが量産で通じるとは限らないのです。

 

この洗浄で何が大変かというと、「乾燥している」フンがパーチメントに付着しているわけなのですが、それを完全にきれいにしなければならないということです。ポイントは「乾燥している」ということになります。

 

これが乾燥していないものでしたらいとも簡単に洗い流すことが出来ます。ところが乾燥している汚れとなるとそう簡単には行きません。なかなか汚れが落ちず、少量の豆を完全に洗いきるのに非常に時間がかかってしまうのです。

 

これを解決するもっとも手っ取り早い方法は、洗浄工程で手伝ってくれる村人の人数を増やすことでした。そしてそれは可能でした。しかしローコストでの生豆供給という目標もあり、これ以上工程費用をかけたくないのと、人数を増やすというのはコピルアックの製造プロセスのノウハウ習得のプラスにはならないため、プロセスを改善することで何とかこの難局を乗り切りたいと考えていました。

 

ここから我々は再び試行錯誤を始めることになったのです。

 

ジャコウネコのフンの洗浄。侮れません・・・・。次回へ続きます。

 

 

イカサンのワイフと長女、そして生まれたばかりの長男とPanjunan村で撮影した写真です。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki