コピルアックブロク画像

コピルアック(コピルアク) バティックとおいしいコーヒーの共通点 後編

2012.11.29

「この製品もしくはサービスがこの値段で手に入るのは素晴らしい」と思うものがいくつかあります。

 

とくに最近そういったものが増えてきていると感じます。例えば先般この章でご紹介した翻訳サービスなどもその一つです。また、以前私は英会話の勉強をするためにレアジョブというインターネットのSkypeを使用したサービスを利用していたことがあるのですが、このサービスが1か月で¥5,000とは!!と驚いたものです。

 

素晴らしいサービスがこれからも続々と出てくればいいなと思います。また、私自身も今後はお客様のご期待以上のサービスを提供できるように努力してまいりたいと思います。

 

そして巷にはこの逆もあります。つまり「この値段でこのサービスはちょっといただけないでしょう!?」というものです。以前近畿地方に出張に行った際あるビジネスホテルに宿泊しました。価格は確か¥8,000くらいだったかと思います。

 

中堅都市のビジネスホテルでこの価格は比較的高いと思われます。もともとビジネスホテルに期待することはあまりなく、たいがい無頓着な私でも突っ込みどころ満載のこのホテル。禁煙ルームを予約したにもかかわらず明らかにタバコ臭がする。トイレは水漏れ。タオルが無い・・・・。

 

便利なサービスがどんどん出てくる一方、まだまだ改良の余地があるものも世の中にはたくさんあると身に染みて思うときもしばしばあります。

 

ところで我々の知らないところでは、このどちらとも判断がつかないものがあります。先般ある大手のデパートに行った時のこと。確かリビングコーナーだったと思います。1メートル立方くらいの大きな木箱が床に置いてありました。

 

こんな感じのものです。こちらのWebから拝借しました。この写真から財宝を取り除けば実物のイメージにくなります。

 

値札を見たら¥50,000。「結構高いな」と思い横を通り過ぎようとしたところ、左目の端に値札が再びちらっと見えました。「ゼロが一つ多い!?」。「¥50万円??」。

 

ひょっとしたら箱マニアのような方からするとものすごい価値のある箱なのかもしれませんが、私にはこの価値が理解できませんでした。

 

こういったものはごくまれに存在します。目利きではないとわからないもの。たしか一週間くらい前の日経新聞夕刊のコラムにもちょうど同じような記事が出ていました。

 

京都の古い家からタンスを引き取る商売だそうです。そして古ダンスのマーケットで販売するという内容でしたが、引き取る業者はたいそうな目利きで、数千円で購入したタンスが数百万円で売れたこともあったとのこと。

 

絵画や絨毯、切手やコインの世界でもこういったケースはあるかと思います。そしてインドネシアではBatikもそういった類の一つとして取り扱われることがあります。

 

先日ブログで記載しましたYogyakartaのBatik、コピルアックと同様複雑な工程を経て製品へと仕上がります。Yogyakartaでお邪魔したBatik制作アトリエはこじんまりとしていたものの、ただならぬ妖気が漂います。乾季のインドネシアはからりと晴れあがりますが、なぜだかこのアトリエ付近だけは少し暗いような・・・・。

 

Batikの制作は大きく分けて2つのパートに分かれます。モチーフを書く職人と、染色マスキング用のロウ付けをする職人です。先般の女性はロウ付け職人でした。そしてこの写真の右側の長髪男性がモチーフを書く芸術家です。ちなみに黒いスカーフを巻いた女性が今回我々をアトリエに案内してくれました。

 

「ねえ、ちょっとアンタうちの先生見くびらないほうがいいわよ!! ジャワ島じゃあ超有名なんだから。機嫌悪いと部屋から出てこないからね」とアトリエに行く前散々彼女から脅されていたのですが、今日はどうやらご機嫌麗しいようで、無表情のまま我々をアトリエに招き入れてくれたのでありました。

 

インドネシア国内および海外にも幾人か彼を師と仰ぐ弟子がおり、来る者拒まずのスタンスを貫いている心の広い自分とのこと。「僕のとっておきのいくつかを見せてあげるよ」と、取り出した中の一つがこのブルーのBatik。サイズは1メートル角。

 

価格を聞いてみると、「ほんとはRp800.000(日本円で約8千円)だけど今日はRp500.000でOK」と・・・・。即決Dealで購入した次第でございます。この手の値引き商法にまんまとYogyakartaで引っかかる私。

 

彼の話によると、バリ島からも彼のBatikを買い付けに来るとのこと。バリ島での価格は一挙に跳ね上がり約Rp4.000.000(日本円で約4万円)。「アンタ得したね!!」と黒いスカーフの彼女から褒められつつYogyakartaを後にしました。

 

その後Patiに戻り翌日街のBatik洋服店に行ってマスターにこの布を鑑定してもらうことにしました。

 

「う~ん」とうなる彼から出た彼の評価は「Rp1.000.000(日本円で約1万円)」。彼曰く「確かに手書きのBatikであることは分かるが、ちょっとな・・・・」。畳み掛けるように彼が「ちょっと待っててくれ」と急いで店の中に駆け込んでゆきました。

 

息を切らせたマスターが手に持っていたのは1枚の古い手ぬぐい。いいえ、よく見るとBatikの様でした。彼は自慢げに私に言いました。「これは数百年前にジャワで栄えた王国の王家お抱えのBatik職人が作ったBatik。我が家に代々つたわる家宝として決して人に売ってはいけないと言われていたが、アンタに譲ってやろうと思う」。彼は鼻息荒くつづけました。

 

「ホントはRp100.000.000(日本円で約100万円)だが、アンタに特別にRp88.000.000で譲がどうだ?? 超お買い得だぞ!!」。

 

手ぬぐいのようなBatikに描かれたモチーフは人だかネズミだか、象だかわからない小さい柄が青く点々とあり、いくつか虫食いの穴が布に空いていました。その穴が昔ジャワで栄えた王国のリアリティーをいやがうえにも高め、相棒のイカサンに意見を求めようと後ろを振り返ると、彼はもう既にヘルメットをかぶり帰宅準備。

 

置いてきぼりはたまらないと、わたしもいそいそとヘルメットをかぶり、彼の後に続くのでした。「別の家宝もあるぞ!!」との店主を振り切り、Panjunanへと家路を急ぐのでありました。

 

事務所でイカサンに提案してみました。「WarungのテントをBatikで作り、コピルアックを出したらすごい流行るんじゃないかなー!?」

 

別れも言わずイカサンは事務所を後にしました。今日のコピルアックはアラビカにしようとお湯を沸かし始めました。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki