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コピルアック(コピルアク) 激高するマダム

2012.11.18

横浜の街を散歩するのが好きで、今日の昼間もぶらっと関内まで出掛けてみることにしました。

 

伊勢佐木町の商店街を歩いていると、「インドネシアカレー 普通の隠れ家」という看板を見つけました。インドネシアカレー!? 

 

日本では「ハウス ジャワカレー」が有名で、あのカレーはジャワ島の味だとインドネシアに渡る前は思っておりました。ところがどっこい、あのカレーと同じものはジャワには存在しませんでした。

 

この店の看板には「バリ島育ち」と書いてあるので、バリにはカレーがあるのでしょう。カレーは大好きなので本当は店に入りたかったのですが、既にラーメン大盛りを食べてしまったため、楽しみは次回に取っておくことにいたしました。

 

ところで、ジャワには日本のようなカレーはありませんが、カレーに似た味付けの物はあります。例えばこういったSop Tempe(テンペスープ)などは比較的カレーに近いと思われます。ちなみにこれは大家のお婆さんから差し入れしたもらったものです。味は最高でした!!

 

日本ではお目にかかることのできない料理が、いろいろインドネシアにはあります。今ではほとんどの料理について何ら抵抗なく食べることが出来るようになりました。また、普段はPatiにいる私や相棒のイカサン、製造主任のギアントと共にたまに車で出張をすることがあるのですが、その際にその土地で食べるWarung(屋台)の料理は出張時の楽しみの一つでもあります。

 

ところで、以前出張で中部ジャワ州の州都スマランに出かけた時のことです。昼食を取ろうとスマランの中心部から少し離れたところにあるWarungに入りました。インドネシアならどこにでもある小さなWarungです。

 

我々が料理を待つ間、先客で食事をしていた男性が興味ありげに我々のことをちらちら見ています。我々というよりも、私に興味があったようです。私の風貌は明らかにインドネシア人ではありません。

 

この男性、しばらくするとイカサンに話しかけてきました。しかしインドネシア語ではなくジャワ語で会話をしていたため、何を言っているのかよくわからなかったのですが、いくつかの単語を拾うことが出来ました。

 

「この人は日本人か」、「事故」、「助けた」というようなものです。

 

PatiのWarungのマダムと違いこの人は私が日本人であるとわかったので、ひとまず胸をなでおろしながら食事をし、彼はイカサンとしばし会話をした後、店を出てゆきました。

 

イカサンはちょっとさえない顔です。何を話していたのか聞いてみると、このようなことを言っていたそうです。

 

「自分は軍人で今日は非番で仕事が無い。何年か前に同じように非番で仕事が無いときに、たまたま事故を目撃した。乗用車とバイクが接触し、バイクに乗っていた者が乗用車のドライバーを車の中から引きずり出し、攻め立てていた」とのこと。

 

「乗用車のドライバーは日本人。その後ワラワラと人が集まってきて、寄ってたかったこのドライバーに暴行を加えようとしたところ、自分が人々を制し、乗用車の日本人ドライバーを逃がしてやった」。

 

このような話でした。私はイカサンに聞きました。「みんなで寄ってたかって暴行?? この日本人が逃げようとしたわけでもあるまいし、なぜ事故当事者以外の人々が集まって危害を加えるのだ?」と。

 

われわれ日本人の感覚からするとそのはずです。みんなで日本人を責める必要はありません。バイクと乗用車のドライバー当事者同士の話ですむはずです。

 

ところがインドネシア人の感覚は我々のそれとは異なるのです。

 

イカサンの話によると、この場合つまり日本人のドライバーはよそ者で、インドネシア人からすれば「調和を乱すヨソ者」の立場になります。そのため近隣住民が彼に制裁を加えようとしたとのこと。

 

おそらく我々日本人にとっては理解できないでしょう。普通は警察を呼ぶなり、当事者同士でもめるなりで、周りの人が何か危害を加えるなどということはあり得ないからです。

 

ところが、インドネシアではこういうことはよく起こる話だそうです。一度興奮のスイッチがはいってしまうともう取り返しがつかないのでしょう。イカサンも、これはもう中部ジャワ人というよりも、インドネシア人の性格としかいいようがないと言っていました。

 

インドネシアの中ではジャワ島の人々の性格はとても温厚といわれています。彼らはスマトラ島やスラウェシ島の人々のことを「とても好戦的」と表現します。しかしこの温厚なジャワ人をしてそのような行為をさせる彼らの性格というのは、やはり我々には想像することが困難です。

 

実はイカサンも、人々から集団で暴行をされそうになったことがあったと言っていました。

 

ある日、知らない村の中をバイクで走行中、急に子供が飛び出してきたため、ブレーキが間に合わずハンドルを切り、民家の壁に激突したそうです。

 

ところが、騒ぎを聞きつけた村人がワラワラと家から出てきて、イカサンを寄ってたかって打ちのめそうとしたそうです。幸いバイクはまだ動く状態でしたので、急いでその場を立ち去ったということでした。

 

Warungから出た後、車の中でイカサンは娘に土産を買ってやりたいと、道端の露店でぬいぐるみを買いました。この温厚なイカサンやギアントが興奮するとどうなるのか・・・・。

 

変なことを想像するのはやめようと心に決め、車の中でNasi GandulのWarungマダムの苦い顔を思い出しました。明日また、「私は台湾人ではなく、日本人です」と彼女に主張してみようかと思いました。

 

激高し、私を打擲するマダムを想像することは容易でした。しばらくは台湾人のままでいいかと思い直しました。

 

 

 

晴れた横浜の海に浮かぶ豪華客船です。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki