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コピルアック(コピルアク) おいしいコーヒーへ向けての第一歩2

2012.11.03

先日から日経新聞の「私の履歴書」でオムロンの、立石名誉会長の連載がスタートしました。

 

オムロンといえば普通の人は体温計や体重計、血圧計といった家庭用医療機器のメーカーというイメージがあると思います。

 

ところがオムロンの製品というのは、一般の人には目につかない様々な電気機器の中に取り入れられています。たとえば車の電気系統や産業機器の制御部品等です。こういった分野ではかなりの実績があり、優秀な日本の製造業の代表格といっても過言ではないでしょう。

 

実は私の前職ではこういった電気、工業系の製造業と接する機会が多く、製造ラインの担当者や設計担当者との接触も頻繁にありました。実際に彼らの話を聞き、工場のラインを拝見する機会も多くあったのですが、常々思っていたのは「製造業というのはノウハウの塊」だなということです。

 

品質を上げるため、歩留りを改善するために彼らがしていることというのは、普通の人が見ただけでは絶対に気が付きません。しかし、わかる人が見ると「これはすごい!!」ということが一発でわかります。

 

たいていそのようなノウハウは、ほんの些細なことです。例えば「ハンマーの持つところが異常に短い」とか、「機械の操作スイッチがかなり低い位置にある」とか・・・・・。そういったことには何かしらの意味があるのです。

 

そしてこのようなほんの小さなノウハウの積み重ねが、製造業を繁栄させるための命とも言えます。

 

10年以上前から日本の技術流出を懸念する声がありました。ある大手メーカーでは社員のパスポートを総務部で預かっていたという話を聞いたことがあります。週末にアルバイトで近隣の競合国に行かないようにするためです。また当然社員と会社との間では秘密保持契約も結んでいるはずです。

 

こういったことをしてまでも、技術のノウハウというのは何としても製造業を生業とする企業にとってはとどめておくべきものであります。

 

ところで、私たちのコピルアックの話に戻ります。

 

私がLJAインドネシアでコピルアックの製造を自ら行おうと決めた理由はいくつかありました。

 

その一つは価格です。Keletから生豆を購入するとどうしても製造コストが上乗せされてしまうため、価格が割高になります。Patiに戻り、この工程を自社で取り込んだ場合を計算してみたところ、やはり我々自らが製造をしたほうが割安になることが分かりました。

 

そしてもう一つ、最大の理由は「買い付け」ではなく、「製造」をすることで、このコーヒーの特性、価値をもっと良く知ることが出来ると考えたからです。

 

我々はパーチメントにフンがついた状態のものをKeletから購入します。そうすると、どういったことがわかるかです。

 

ひとつ例を挙げます。例えば100㎏フンがついたパーチメントを購入したとします。その場合、最終的にそれが何キロ生豆として残るのか? どのくらいの歩留まりになるのか?  歩留りが低ければその原因は何か? それは改善できるのか? 改善するためにはどのような処置を取ればいいのか? etc……….. といったことが私たちには分かります。

 

その他いろいろなことが「製造」を自らすることにより、手に取るようにわかります。もちろん、おいしいコーヒーをお届けするための品質についてもあてはまります。

 

これは「買い付け」とは全く異なる次元のものです。

 

「買い付け」ではこの製品の価値や値段を判断するのはあくまでも供給者です。買い付けるほうは、「なぜこのコーヒーはこういう品質なのか?」、「なぜこの製品がこの値段であるのか?」というところは良くわからないでしょう。供給者が言ったことを鵜呑みにするしかありません。供給者が本当のことを言っているかどうかもわかりません。

 

また、供給者と価格ネゴをするとしても、せいぜい「市場価格と味を比べるとだいたいこれくらいが相場かな? ちょっと高いかな?」といったレベルのネゴしかできません。

 

ところが、「製造」まで踏み込むと、その製品の価値が良くわかります。

 

なぜこの製品がこれくらいの値段をするのか? この製品をここまで高価にさせているものは一体何か?

 

最終的にKoki’s Kopi Luwakの評価をするのは、実際にお買い上げいただいたお客様です。しかし、供給者として我々もこのコーヒーの価値を十二分に理解しておく必要があるわけです。

 

イカサンと我々自身がPatiでコピルアックの製造をすることについてよく話し合いました。彼は私の意見に賛成でした。しかし理由は別の物でした。

 

「Patiの雇用を一人でも増やしたい」というものです。

 

インドネシアは日本と比べると裕福な国ではありません。仕事をしたくても職が見つからない人がたくさんいます。彼はそんな人を一人でも減らしたいという希望を持っています。Patiで我々がコピルアックの製造を始めると、そんな人を何人か減らせることが出来るでしょう。

 

イカサンを少し見直しました。そしてその日からPatiで精製の為の敷地探しを始めました。道のりは全く見えませんでしたが、私とイカサンの心には明かりが灯りました。

 

腹が減ったので彼と一緒に近所のWarungでNasi Gandulを食べることにしました。

                       

Patiの郷土料理Nasi Gandulです。

 

 

Samapi Jumpa Lagi,

Koki