コピルアックブロク画像

村のお手伝いさん その3

2014.11.09

確か私が中学3年生の頃、体育課の先生がグラウンドを逆立ちして歩いている光景を目にしたことがあります。この体育科の先生は日本体育大学卒業で、学生時代は器械体操の選手でした。どうやらオリンピックメダリストである具志堅選手の後輩だったようで、校内では腕っぷしの強い厳しめの先生として有名でした。

 

その先生が逆立ちして校庭を歩いている??

 

誰かが「○○先生が逆立ちで校庭を歩いているぞ!!」と叫びました。どうせ嘘だろうと窓から外を見ていると、確かに先生が逆立ちしており、多くのギャラリーが無言でその光景を眺めていました。

 

どうやらこの先生、自分のクラスの生徒に「阪神タイガースが優勝したら逆立ちして校庭一周歩いてやる」と宣言したようで、阪神タイガースが奇跡の優勝を決めてしまったために本当に逆立ちをする羽目になりました。

 

当時も今も野球事情に全く疎い私は、阪神タイガースの優勝に対して何の感慨もありませんでしたが、ヘロヘロになりながら先生が逆立ちをして校庭を歩いている光景は私達を大いに感動させました。私の中学生の時のきらりと光る思い出であります。

 

ところでこの阪神タイガースの優勝に大きく貢献したのは掛布、岡田、そしてバース選手と言われています。特にバース選手は「助っ人外人」という位置づけで有名でしたが、確かに助っ人の名に恥じない働きをしたのでしょう。年俸もたいそうすごい金額だったと思います。

 

さて、こういった「助っ人」ですが、この当時はプロ野球のようなスポーツ界だけではなく、当時の日本ではいろいろな場面で出くわすことがありました。この頃は景気が上向き基調でインフラ工事もジャンジャン行われており、至る所に外国人労働者を見ることが出来たのを記憶しております。

 

また、これはつい最近でも同じようで、ある大手の食品工場の採用担当者と話したことがあるのですが、現在はかなりの人手不足で工場で勤務している外国人労働者が仮にいなくなれば、工場は成り立たないのではないか?との嘆きに近いコメントを漏らしておりました。

 

こういった人々はプロ野球選手ほど目立たないものの、一つの産業を支えている大切な労働力であることは確実です。

 

それは工場労働者だけではなく、一般家庭で働くお手伝いさんやヘルパーの仕事に就く人の場合も同じです。仮に共働きの家庭で小さい子供がいる場合やお世話が必要な高齢者がいる家庭などではお手伝いさんが果たす役割というのは大きいでしょう。

 

インドネシアから出稼ぎで外国に行く女性たちはこういった大切な役割を担っており、それに対する対価を受け取るわけなのですが、先般記載しましたブログのようにこの出稼ぎビジネスはリスクが高いのであります。

 

彼女や家族たちは当然それを承知で海外へと出てゆくわけなのですが、もちろんその理由はお金であります。頭ではお金が無いから海外へ出稼ぎに行くという状況は分かりますが、おそらく日本で暮らしている限りではリスクを冒してまで海外へ行かざるを得ないという金銭的に厳しい生活は想像がつきにくいでしょう。

 

例えば私が暮らす中部ジャワではガス代がもったいないからという理由で、料理の煮炊きには基本的にはカマドを使います。また、かなり貧しい地域ですと電気代がもったいないという理由で、米を炊く水、スープを作る水、つまり口に入る水以外の水を近くの川で済ませる場合もあります(水はポンプで屋根上にくみ上げるので電気代がかかるのです)。

 

日本円で50円くらいの日常品を購入するのがきつい為、ツケでこういったものを購入するケースもあります。

 

こういったケースのほとんどが、旦那が何らかの事情で仕事をしていない場合が多いという話を聞いたことがありますが、いずれにしてもこちらの生活というのは日本では想像できないくらいに厳しいと言えます。

 

現在弊社のコピルアックはジャコウネコのフン付豆を飼育業者から購入し、私が暮らすPanjunan村の仲間たちで精製作業をしているわけですが、彼らの生活というのもだいたい似たようなものです。

 

彼らのほとんどが小作人作業を生業としていますが、おそらく月の収入は日本円で1万円程度でしょう。農作業をするよりほかは彼らの仕事は無く、彼らのほとんどは一生を小作人として過ごすわけです。

 

実はコピルアクのビジネスでわざわざフン付豆を購入している理由というのは2つあります。一つは生豆ですと偽物本物の区別が全くつかないことです。仮に本物と偽物が混ざってしまえばいかにコピルアク生豆の香りが普通の豆の香りと異なると言っても見分けはつきません。名のある供給者が本物の生豆だけを販売すると考えるのは甘い考えです。

 

コピルアクのような高額商品を扱う限り、そのような供給者は必ず現れますし、お金の為であれば平気で偽物を販売するでしょう。

 

そしてもう一つの理由というのは「雇用」です。この精製作業というのはかなりの手間暇がかかるため、それなりに人をそろえる必要があります。年に数回の精製作業ではありますが、確実に彼らは臨時で給料をもらうことが出来ますし、そのお金で彼らの暮らしは多少なりともよくなるわけです。

 

私と相棒のイカサンはこのビジネスに強い誇りと執着心を持っていますが、特に相棒のイカサンは日本の皆様がコピルアクを購入してくれることにより、雇用が増えることについて大変感謝をしております。極端な話をいたしますとこの雇用のおかげで、仲間の誰かがリスクを冒して海外へ出稼ぎに行かなくて済むわけです。

 

イカサンがたまに私に言います。“You save our life”. 

 

You”とは私のことではなく“日本の皆さん”という意味なのであります。

 

 

 

写真はコピルアクの精製をしているPatiの街を流れる川です。この川は浅い為水浴びをしている人はいませんが、もっと深い川ですとたまに水浴びをしている人や、野菜を洗っている人を見ることがあります。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki