コピルアックブロク画像

ジャワとスマトラのコピルアク その1

2014.10.03

愛知花博というイベントは確か2006年頃だったかと思います。このイベントはちょうど円安の景気と重なり、大盛況で愛知県人の結束を固めたような感じがいたしました。

 

と申しますのも、私、この2年後に名古屋に転勤することになったのですが、お客様や会社の先輩との会話の中でしばしば花博の話が出てくるわけです。「自分はチケットを買って9回行った・・・」、「○○パビリオンは素晴らしかった!!」といった具合です。

 

もちろん私はその話についてゆけるはずもなく、横でこぢんまりとするしかなかったのであります。とはいうもののしばらく名古屋に住んでみると食べ物は美味しく、人は親切で全く不自由はなかったのですが、花博の話についてゆけない以外でどうしても名古屋の人々と分かち合うことが出来ないことが一つありました。

 

それは「方角」です。

 

例えば初めて来社する人に電話で事務所に道を教える時、例えば関東近辺の人でしたらこういうでしょう、「改札口を背にして右に進んでください・・・」と。ところがこれは名古屋では通用しません。ではなんというか?

 

「北へ進んでください」というわけです。

 

実は転勤当初、電話でお客様に道順を伝える際に会社の先輩から「その説明じゃお客さんわからんよ」と注意されました。右左じゃなくて方角で言えということです。「太陽の方向を見てれば方角など小学生でもわかる」という理論です。温和な私もこれには猛反発しました。「雨が降っていて太陽が見えなかったらどうするんですか?」と。

 

しかし、私以外は皆名古屋出身者。「薄目を開けて周りを見れば雨でもうっすらと太陽は見えるものだぞ」と返され、事務所の全員からけちょんけちょんにヤラれ、数日間事務所の誰とも口を利かなかったのを良く覚えています。

 

さて、その数年後私はインドネシアに渡ったわけですが、ここでも方角の洗礼を受けることになります。相棒のイカサンに「Alun Alun(アルンナルン=中央広場)の近くにあるモスクを背にして右の道をまっすぐ行った左側の店にコピルアック生豆の梱包に使えそうな袋を見た」という話をしても彼には全く通用しません。

 

「それはAlun Alunの南の道じゃないの?」とか言う話になるのです。そうするともうホワイトボードに絵をかいて説明するしか方法が無く、名古屋で味わったストレスをPatiでも味わうことになります。

 

さて、方角といえばインドネシアは東西に長く伸びる国として有名ですが、昨日コピルアクの新豆のブログの話を書きながら思い出したことがあります。

 

コピルアクのビジネスを始める前、ジャコウネコのフン付豆のサンプルを各地から取り寄せたことがあります。確か67か所だったと記憶していますが、その中で似た味を出すコーヒーが一組ありました。それはMuriaのロブスタとスマトラ島のLampung(ランプン)という地域のロブスタです。

 

他の豆はそれぞれ味が全く異なるのですが、MuriaLampungの豆の味はまったくと言っていいほど同じ。しかもこの二つの距離は北海道と沖縄くらい離れた距離です。西側のLampungに対して東側のMuria。ところが面白いことに、Muriaと同じ中部ジャワのTemanggungという場所のコピルアク生豆はMuriaとは場所が近いにもかかわらず味はまったく異なります。距離は東京~小田原間といったところでしょうか。

 

この時はスマトラ島に属するLampung以外はジャワ島の西側~東側までのサンプルを取り寄せ味の比較をしたのですが、それぞれ味が全く違い意外な感じがしたものです。

 

さて、この時から今に至るまでおおよそ3年たちましたが、ある事情があり先月Lampungのコピルアクのサンプルを取り寄せることになりました。当時のLampungの業者とは違う業者だったのですが、フン付豆を少量Patiで精製することになりました。

 

精製した豆は当然3年前のあのMuriaの豆と全く同じ味かと思いつつ、焙煎した豆を数日後飲んでみると、・・・・・「???

 

味が全く違う!? 確かにLampungから取り寄せたのですが明らかに味が全く違います。もちろんこれはこれで美味しいのですが、仲介に入った業者に「これ、本当にLampungの豆?」と聞いたところ、「間違いない」とのこと。

 

彼曰く、味が同じ地域でも異なる理由というのは人工的にコーヒーの交配合をしているかどうかの違いではないか?ということでした。

 

 

近隣の地域でもコーヒーの味が違うにもかかわらず、遠方の地域のコーヒーの味は似ている??

 

興味深い現象です。話が長くなりそうなので次回へ持ち越します。

 

名古屋で先輩に方角が分からずにイジメられたとはいえ、名古屋は大好きです。とくに食べ物がおいしく、「味噌煮込みうどん」、「きしめん」、「あんかけスパ」等々どれも大好物でした。もちろんあの味はインドネシア人には受けないでしょうけれど・・・・。

 

 

 

 

 

写真は私がPatiのPanjunan村で暮らす借家の大家さんが作ってくれたスープです。Tempe(テンペ=大豆の発酵食品)が入っているだけのシンプルなスープで私の大好物で、名前はありません。見た目は名古屋の味噌煮込みにも見えないことはありませんが、この味、名古屋人には受けないでしょう・・・・。

  

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki