コピルアックブロク画像

コピルアックの新豆

2014.10.01

今から20年以上前、確か1993年くらいだったかと思いますが、日本を相当な冷夏が襲ったのをかなりの方が覚えておられるのではないでしょうか。

 

当時私はちょうど学生だったのですが、最も深刻だったのが「コメ不足」です。その年の秋口からはコメがほとんど店頭から消え、ほとほと困り果てたたところにタイ米が登場しました。

 

初めて食べたタイ米に関してはパサパサしてあまりおいしくないという感想しかありませんでしたが、コメが無いよりかはマシと文句を言わずに頬張っておりました。食べ物に関して文句を言わないというのは何となく自分にしみついている性なのでしょうか、味覚に関して鈍感なだけなのでしょうか。いずれにしましてもあのタイ米にも慣れてきたところ、ついにタイ米も手に入りづらい状態に・・・・。

 

確かこれは冷夏の翌年の2月頃だったかと思います。この頃からはもう店の棚にはコメ自体が無いという感じで、これは凄いことになったと思っていたところ、ある日スーパーや酒屋に(昔は酒屋にコメが売っていました)米が並んでいるではありませんか!!

 

しかもそれほど高くない。しかもタイ米ではない!?

 

ではこのコメはいったい?? そうですこのコメは中国からの米だったのです。この当時は今ほど中国からの食品に対する抵抗感というのはなく、棚からコメが無くなる前に友人たちとみんなで手分けして買い占めたのであります。今では懐かしい思い出です。

 

この時の中国米が美味しかったこと!! 中国米は日本米と全く同じで、タイ米のようにパサパサしておらず、しっとりとしてふっくらと炊きあがったお米の香り。今でもあの時の幸せな記憶は残っています。私が当時暮らしていた近所の酒屋で買った、久々のタイ米ではないコメがこれほど自分に幸福をもたらすとは・・・・。

 

ほとんどの方が忘れてしまったかもしれませんが、おそらくあの中国米はかなりのインパクトを日本人にもたらしたのではないかと思います。あの頃みんなで「中国米うまいジャン!!」と言っていたのが懐かしく思い出されます。

 

さて、話は変わりますが、コピルアックの生豆産地であります中部ジャワのMuria山はアラビカの産地として有名です。実はアラビカというのはインドネシアではあまり重宝されておらず、ロブスタのほうがインドネシア人の舌には合うということで、地元の中部ジャワでは価格もアラビカよりもロブスタのほうが高値で取引されています。

 

ただし、インドネシアのロブスタというのは質が高く、近年はロブスタの国内供給が追い付かない為どうやらベトナムから安価なロブスタがインドネシアに流れている模様です。

 

これはどういうことかといいますと、国内で生産された上質なロブスタは輸出に回され、国内用のロブスタはベトナムからの輸入で賄われているという珍現象が起こっているものと思われます。自由主義経済ではやむを得ない事態ではありますが、インドネシア政府がコーヒーの輸出をライセンス制にしている一つの原因になっているとも思われます。

 

さて、このロブスタですがMuria山でも少量ですが栽培されています。そしてこのMuriaのロブスタの品質ですが、実はVery Goodです。かなり良いと言っても過言ではないでしょう。

 

以前コーヒーのプロから、「良いコーヒー生豆というのは焙煎している最中に油が出やすい」という話を聞いたことがあります。コーヒー生豆というのは焙煎すると油が浮き出てくるのですが、たいていは深煎りすればするほど油が浮き出てきます。ところが豆の中には中煎りを少し過ぎたくらいからもうかなり油が出てくる豆があるのですが、そういった豆ほど良い豆というわけです。

 

コピルアックは確かに美味しいコーヒーではありますが、もともと持っている生豆の味が悪ければ、いくらコピルアックといっても残念ながら味は落ちてしまいます。そういう意味では生豆の出来不出来というのはかなり私にとってはナーバスな問題なのです。

 

現在コピルアックの精製所があるPatiでは新ロットの収穫を開始し始めたところです。私は今、日本に滞在しているため相棒のイカサンがテスト精製したコピルアックの豆を少量送ったものを日本で味見することが出来ました。やはり新ロットの味見というのは緊張します。

 

出来が悪ければがっくりしますし、場合によってはMuria山の別の地域で良い豆が無いかどうかを探す必要も出てまいります。

 

さて、昨日インドネシアから少量の豆が届き、早速本日焙煎をしてみたところ、「油が目立つ・・・・」。焙煎した後、ホッと胸をなでおろしたのであります。味見はあと数日後にする予定ですが、挽いてみた香りの感じですとほぼ前回と同じかそれ以上の品質ではないかと自負できるものであります。

 

20年以上前、美味しい中国米が手に入りホッと胸をなでおろしたものですが、上等な新ロットが供給できますことに今回もひとまず緊張から解き放たれたのであります。

 

中部ジャワはそろそろ雨期に入ります。コーヒーの収穫期も残すところあとわずかになりました。これから12か月後にはコピルアックの新ロットがジャワ海を越え日本に参ります。是非皆様しばしお待ちくださいませ!!

 

 

 

 

私が持っているのはロブスタの木の枝です。ロブスタの木というのはかなり背が高く、アラビカの倍以上は優にあります。味も納得の味です。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki