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インドネシアでビジネスをする難しさ

2014.9.25

月末が近づくと請求書の束が気になりだします。こちらから送る分にはいいのですが、月初に到着した請求書を月末にさばくというのは、シビレる作業ではあります・・・・。

 

ところで先般のブログでバイクの部品卸会社が海外からバイクの部品の輸入を自社でやらずに輸入会社から購入しているという旨を最後に記載し、その理由としてライセンスの取得が難しかったことと、資金力が無かったからと申し上げました。

 

ライセンスの取得はブログに書いた通りなのですが、今日は資金力に関して書いてみたいと思います。

 

おそらく自分でビジネスの経験がある方でしたらこのことを十分おわかりかと思いますが、「回収は早く、支払いは遅く」が最も重要な資金管理であることは間違えありません。もちろん相手先との取引条件がりますので、全てが自分の思うとおりに動かないのは当然でしょう。

 

とはいうものの、一度支払い条件を決めれば普通の会社でしたらその条件に従ってビジネスが進むのが当然であり、いきなりこれを守らないという会社はよほどの詐欺会社でもない限りは無いでしょう。

 

ところがインドネシアではこれが頻繁に起こります。仮に「月末締切、翌月末に支払い」という条件でビジネスが始まったとしても、きちんと翌月末に支払われることは希といったほうがいいでしょう。日本では基本的にあり得ないことですがインドネシアではこれが常態化しております。

 

例えばバイクの部品ですが、輸入業者は複数のバイクの卸業者に部品を販売します。そして卸会社は小売店やバイクの修理屋に販売します。ところが、こういった小売店や修理屋というのは卸会社に対して「売れた時に支払う」という条件で部品を購入します。具体的に申し上げますと、卸業者は週に1度か月に1度、これらの店を訪問し、店の在庫をチェックし、売れた分だけ集金するというシステムです。つまり富山の薬売りと同じです。

 

これは資金回収の面からすれば非効率極まりないのですが、卸会社と小売店、修理店の間では当たり前のことで、彼らが卸商から現金で仕入れをするというのはめったにありません。逆に売れた分だけ支払うという条件を卸商が飲めなければ小売店はその卸商とは付き合いをしないでしょう。

 

さて、問題は輸入会社と卸会社との関係です。上記のように卸会社は小売店から入金されるタイミングが非常に長くなります。そのため卸会社にはお金がありません。輸入会社と卸会社がいったん決めた支払日も守られるはずはなく、結局は輸入会社に対して「お金が出来たら支払います」ということになってしまうのです。

 

本来卸会社が輸入業務をできればいいのですが、上記のような理由により莫大な資金力が輸入会社には必要になります。輸入会社とその取引先である海外企業との取引条件では「ある時払い」などは通用するはずもなく、まとまった資金を用いてコンテナ単位で部品を購入するのが常だからであります。

 

日本では「ある時払い」などは許されないことですが、インドネシアでは当たり前のことです。よくインドネシアでビジネスがやりづらいという日本人が理由として挙げるのは「役人への賄賂」ですが、私からしてみればそれはさほど問題ではなく、資金回収が困難なほうがよほど深刻な問題ではないかと思います。

 

さて、通常でしたらこの輸入会社、以降は支払いの悪い卸会社との取引を減らすなり、やめるなりするのですが、彼らはかなり寛容です。ではどうするかというと、彼らも支払いを遅らすのです。例えば輸入通関をお願いしたフォワダーに対して「ある時払い」を求めるのであります。

 

この辺りでは実は私自身が失敗をし、かなり懲りた経験があります。とはいうものの、これは度が過ぎるとどういう風になるかといいますと、「前金でないと売らない」という話になります。

 

例えばこちらの章で書いたようにコピルアクのビジネスでひどい目にあった村人たちです。この話、結局は供給先であるA氏が散々コピルアク生豆を村人たちに作らせておき、支払いをせずにドロンしたという話なのですが、被害に遭った村人たちはもう相手がだれであろうと前金でしかコピルアクを売らないという結論に達しました。

 

 

さて、私が思うになぜこのようなことが起こるかというと、これはインドネシア人の性格、特にジャワ人のそれによるものではないかと思います。日本人からすれば彼らをルーズだという風に見てしまいますが、私が思うにルーズなのではなく「優しい」もしくは「争いを好まない」という性格が、こういった支払いを遅らせる状況を発生させていていると感じています。

 

つまり相手の支払いが悪くとも、争いを好まない為に相手に対して強く支払いを求めることは出来ず、いずれは払ってくれるだろうとなあなあで済ませてしまっているような気がします。もちろんその気性は彼ら同士が最もよくわかっていますので、その気質を利用しているともいえるのですが・・・・。

 

この習慣に日本人が慣れるのは至難の業かと思います。もちろん莫大な資金があればインドネシアでのビジネスで成功できる可能性は高まるのでしょうが。

 

 

この写真は中部ジャワの州都Semarangにあるバイクの部品の小売店の店主と一緒の写真です。こういった部品屋がそれこそ無数に存在します。たいていはバイクの修理屋を併設しており客足が絶えることはありません。ちなみに修理屋のことをインドネシア語ではBengkelといいます。会話の中でもこの単語はしばしば登場します。そういえば日本ではバイクや自転車のBengkelをほとんど見なくなりました。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki