コピルアックブロク画像

インドネシアと「イスラム国」 その1

2014.8.28

イスラエルによるガザの空爆が始まったのは確か7月の後半くらいだったと思います。パレスチナとイスラエルを繋ぐトンネルを壊滅させようとしたこのイスラエルの作戦ですが、新聞を読み意外に感じたことが一つありました。

 

「イスラエルはハマスの殲滅を望んでいない」という内容です。これはつまりハマス以上の過激な組織が出現するのを防ぐためということで、ハマスが壊滅してしまえばそういった組織がすぐに出来上がる土壌がもう既にあるということになるかと思います。

 

さて、現在イラクで戦闘を続け国際的非難を浴びているイスラム国ですが、残虐非道さはテロ組織のアルカイダをしのぐとも言われ、イスラエルが恐れていたのはこういった組織が台頭してくることではないか?と推察いたします。

 

この出来事は遠いイラクで起こっている出来事ではありますが、おそらく全世界でいろいろな影響が出てくるはずです。イギリス人やオーストラリア人もイスラム国の戦闘員として参加している模様。こういった戦闘員が出身国に戻りテロをおこすことも現実的にあり得る話です。

 

どうやらイスラム国の中にはインドネシア人も含まれているようで、新大統領は彼らの国籍はく奪を宣言しました。インドネシアはご存じの通り世界最多のイスラム教徒を擁する国家ではありますが、彼らが最も恐れているのは過激なイスラム教徒による紛争やテロです。

 

日本ではあまり報道されていませんが、小さなテロ事件はしばしばインドネシアでは発生しています。もちろんインドネシア国内でも公にはされていないテロ事件はあるようで、インドネシア国民にとっても嫌なニュースとなっています。「イスラム国」という名前を聞いただけでは同じイスラム教徒が別の地域で戦っているという風に聞こえてしまいますが、内情はまったく異なります。

 

インドネシア国内にもイスラム系のテロ組織というのは存在します。もちろん一般人との接点はありませんが、スマトラやスラウェシなど島しょ部の山奥で軍事訓練をして、しばしば地域の警察と小競り合いを起こしているようです。

 

インドネシア政府が最も恐れているのは内紛です。もともと多民族国家でしかも複数の宗教が国教として認められているため、ミクロのレベルで問題が発生した場合、つまり国家としての方向性は安定した政策を取ったとしても、民間レベルで何か権力的な小競り合いが発生し、それが宗教色を帯びてしまう可能性もあるわけです。

 

例えばこういう話があります。

 

ある村では、イスラム教徒とキリスト教徒の人口の割合が91だったとします。それに伴い、昔からの風習で村役場の幹部の人数も91という暗黙の了解が出来ていました。ところがある時、キリスト教徒の幹部がこの風習を破り、一挙にキリスト教徒の幹部を増やしてしまったとします。

 

役所というのは甘い汁が吸える場所でもあります。利権を多くの同胞で分かち合いたいという気持ちや、仲間内で英雄になりたいという意識が働きそのような行動を彼に起こさせるのでしょう。

 

おそらくこの場合問題は起こるはずです。もちろん宗教色で行政自体に問題が発生するわけではありませんが、村役場の権力闘争はいつの間にか宗教問題にすり替わり、しかも隣の村に問題は飛び火して、村から県、州へと拡大してゆきます。

 

多少大袈裟ですが、こういった一つの村で起こった小競り合いが国中を巻き込んだ宗教紛争に発展しないという保証はどこにもありません。

 

インドネシアとはこういった国なのですが、さて仮にイスラム国で戦闘員として米軍と戦った実績のあるインドネシア人が帰国してしまえばどうなるか・・・・。

 

ほとんどの人は彼がイスラム国の構成員と知れば距離を置くでしょう。しかし一方では彼を英雄として扱う人々も出てくるはずです。やはりイスラム教徒が大半を占めるインドネシアではアンチ欧米は確かに存在します。こういった国際的に有名なテロ組織で実戦経験のある者がたった一人であれインドネシアにもたらす影響は何かしらあるでしょう。

 

次回ここら辺の話を少し続けたいと思います。

 

 

 

インドネシアでよく見るガソリンスタンドですが、このスタンドの中にもモスクがあります。相棒のイカサンやギアントと遠出をする際も、お祈りの時間が来るとガソリンスタンドに立ち寄り、彼らはお祈りをします。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki