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コピルアク 秘密のビジネス その2

2014.8.12

日本人特徴の一つに「謙虚さ」というものがあるかと思います。もっともフェイスブックなどのソーシャルネットワークではそうではない人もたくさん見受けられますが、全般的な気質としては謙虚であると言えるかと思います。

 

例えばよく言われることは、仮に多少英語が話すことが出来ても多くの日本人は「英語が話せない」と自己申告するでしょう。ところが経験上これは外国人からしてみれば「なんであそこまで英語が話せるのに彼は話せないというのか?」と不思議に思うはずです。

 

なぜなら彼らは例え日本語が「山」と「川」しか知らなくても「オレは日本語がしゃべれる」と平気で言います。日本人からすれば「アンタ全然しゃべれないじゃん!?」ということになりますが、国際基準からすれば「しゃべれる」ということになるでしょう。

 

この傾向はもちろんインドネシア人にも当てはまります。幸い相棒のイカサンは珍しく謙虚さがありますが、それでも私からすれば「オマエはそんなにすごいのか??」と感じざるを得ないことをたまにさらりと言ってのけ、私をのけぞらせます。

 

さて、こんな感じでインドネシア人もおそらく他国の人と同じように少しばかり自分を高く見せる傾向にはあるわけなのですが、この度が行き過ぎるとどうなるか・・・・。

 

良い例が先般のブログに書きました、あの脱農業に成功した元小作稼業の人です。

 

サイドビジネスが成功した為に本業をやめることが出来る人というのは日本でも、インドネシアでもたぶん数は少ないでしょう。ましてインドネシアで農業に従事する人の給料というのは想像を絶する安さです。おおよそ月収でRp1.000.000(日本円で約1万円)程度です。しかも労働のきつさというのはかなりのものです。

 

私が以前暮らしていたLuboyo村の借家では田んぼがすぐそばにありました。毎朝農作業者が自転車で農地に向かいます。多くの人が背中に金属製のリュックサックを背負っているのですが、これは何かというと、この中に農薬が入っているのです。

 

つまり人海戦術で農薬を散布する仕事で、人体にも影響があると思われるのは一目瞭然です。また作業中にヘビにかまれる危険もあるでしょう。一日中腰をかがめて作業をするため、当然体に負担がかかります。

 

こういった作業はもちろんみんなが嫌がるものですが、PatiJeparaなどの田舎ではほかにめぼしい仕事などなく、多くの人が農作業に従事し一生を終えます。

 

ところがです。この人(仮にA氏としましょう)は何と!このきつい作業から解放され、コピルアクのビジネスで一本立ちできるようになりました。こういったことは奇跡に近いことで、他の村人は羨望と嫉妬の入り混じった眼で彼のことを見たことでしょう。

 

さて、もし私が彼の立場になったらどうするか?

 

おそらく、コピルアクがどれくらい安定したビジネスかよくわからない為、ちょっと様子を見るでしょう。例えば飼育するジャコウネコの数は、少しは増やすかもしれませんが、エサ代がその分かかるため、最小限の負担に食い止めます。また従業員は雇わずに忙しければアルバイトを臨時にお願いするにとどめるでしょう。

 

これはビジネスとして考えれば当たり前のことで、リスクを冒さずに事業を拡大するには地味にコツコツと実績を積み上げてゆくしか方法は無いと思っています。

 

ところがこのA氏は違いました。

 

初回の注文で私から得た代金を元手に、今まで一人もいなかった従業員を数人雇い、ジャコウネコの数も一気に増やし、さらには飼育をするための土地も購入し、一気に事業を拡大する戦略をとりました。

 

当時私はコピルアクのビジネスを始めたばかりでしたので、この話を聞いて大変驚き彼のもとへ駆けつけました。

 

「私はこれから日本でこのビジネスを始めるので、今後コピルアクの需要がどれくらい増えるのか全く未知数です。そのため今後の受注数量に関して確約はできない。もし私からの受注を見込んでいるのでしたら、あなたのやっていることはあまりにもリスクが大きい」と彼に進言したのであります。

 

ところが彼は「Ora Opo Opo」(ジャワ語で「問題ない」)と私の進言を一笑にふします。どうやら彼は私とのたった一回のビジネスで味を占めたのか「コピルアクは作れば売れる」と思ったようで、供給量を増やせば必ず買い手は現れると盲信しているようでした。

 

当時は私もまだこのビジネスを始めたばかり。「彼が自分のリスクで事業を拡大するのであればこちらには何のリスクもない」と思い、この件はそれ以上彼と議論をするのをやめました。

 

ところがこの私の考えは大きく間違っていたことに後から気が付きます。また、彼が一挙に事業を拡大した理由も確かに「作れば売れる」というものではありましたが、他にもう一つの隠れた事情がありました。

 

次回へ続きます。

 

 

 

ジャコウネコを飼育しているJeparaというのは木材の産地としても有名です。家具のほかにも写真のような置物が特産品でジャカルタから多くのバイヤーが買い付けに参ります。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki