コピルアックブロク画像

イスラエルのガザ侵攻とインドネシア

2014.7.23

何年か前に「ハイファに戻って」という本を読んだことがあります。イスラエルが第二次世界大戦後にアラブ系住民の住むハイファを占領した際のドラマで、著者は確かアラブ人だったと記憶しています。

 

この物語は中東のイスラエル・パレスチナ地区の歴史的な複雑さを良く表しており、大変興味深くこの本を読みました。物語を要約すると、「パレスチナがハイファに侵攻した際の混乱のさなかにある夫婦が赤ちゃんを家に置いてきたまま避難してしまいました。その後20年近くこの夫婦はイスラエルの占領下にあった家に帰ることが出来なかったのですが、この赤ちゃんは入植したユダヤ人に育てられてイスラエル軍の兵士になっていた」という内容です。

 

この話はイスラエル、パレスチナ、どちらが善くてどちらが悪いかという視点で書かれているわけではないのですが、この地域の宗教問題の根深さというのは感じ取ることが出来ます。

 

ところで、コピルアックの産地でありますインドネシアは大半がイスラム教徒です。現在イスラエルがガザに侵攻したニュースは世界的に注目されておりますが、もちろんインドネシアでもこのニュースは大きく取り上げられ、インドネシアの知人のフェイスブックのウォールにはイスラエルの残虐さが報道されている記事をアップしている人が多くいます。

 

彼らにとってはやはり同胞が災難に遭っているのは大変遺憾なのですが、もう一つ彼らがこの事件で気にすることがあります。それはインドネシア国内のイスラム教過激派の動向です。

 

あまりニュースには取り上げられていませんが、実はインドネシアにはかなり右寄りのイスラム教徒の集団がいます。この集団は島しょ部で兵を養い、テロ組織の一味として見られています。

 

聞くところによると、ニュースにならない(もしくは意図的にしない)といえどもこういった集団が問題をおこすことはしばしばあり、政府もかなり慎重に彼らの駆除を行っているようです。今のところジャワ島では暴力的な宗教団体の活動は活発ではありませんが、今回のイスラエルのガザ侵攻がどのような影響をインドネシアにもたらすかというのは少し気がかりではあります。

 

と申しますのも、私がインドネシアで暮らす中で思ったのが、ジャワ人というのは基本的には温和で優しい人々です。ところがいったん火がついてしまうと収拾がつかない状態になります。例えばこちらのブログで記載したある日本人が起こした交通事故の話です。

 

 

インドネシア人との付き合いはもう3年以上になりますが、彼らの沸点というか発火点は低いのか高いのかよくわかりませんが、我々日本人とは全く別のところにあることは間違えありません。

 

この交通事故の話では、バイクと接触事故を起こして車から出た日本人が集団リンチに遭いそうになった話をいたしました。日本では事故に動揺はするものの周りの人が感情的になることはありません。

 

一方では「この人たち、何で怒らないの?」ということもあります。例えば「割り込みです」。インドネシアでは「割り込み」というのは自由です。もっと言ってしまうと列に並ぶという習慣があまりありません。スーパーやコンビニなどでもレジに並ばないのです・・・・。

 

私自身、何度も割り込まれたことがあり、当初はカチンと来ていましたが、そもそも並ぶということを知らない人々に対して感情的になるのは間違っているとある時気が付き、以後は腹を立てないようにいたしました。

 

もちろん日本でこれをやれば大ヒンシュクでしょう。レジでいきなり割り込んできたフトドキ者がいれば、従業員はもちろん他の客からも罵声を浴びせられるかもしれません。ところが、仮に彼が「列に並ぶ」という習慣を知らなければ、「なんで日本人、怒ってるのだろう?」と訳が分からないはずです。これはもう文化の差、民族性の違いといってしまうしかないのです。

 

さて、少し話がそれましたが今インドネシアから遠く離れた中東で起こっている戦闘で、インドネシア各地に潜む過激派が仮によからぬことをおこした場合、どんな連鎖反応が起こるかおそらく誰にも予想がつかないでしょう。

 

今のインドネシアには不安定要素がいくつかあります。例えば大統領選挙ではかなり接戦だった為、敗れた候補者がすんなり敗北を認めるとは考えられません。また、現在はラマダン(断食月)の終わりにあたり、ある種人々は興奮状態にあります。平和なラマダンを乱す行為があればそれこそ収拾がつかない事態が発生しないとも言えないでしょう。

 

2001年のテロ事件で、インドネシアはかなり内向きになったと言われています。それ以前に通貨危機で経済は大打撃を受け、国内が大混乱した経緯がありました。今、インドネシアの街を歩くと多くの女性がHijab(イスラム教のスカーフ)を身に着けていますが、テロ以前のインドネシアでは今ほどHijabを身にまとう女性は多くなかったようです。

 

つまり、私が何を恐れているかと申し上げますとインドネシアが混乱し、内向きの政策を取り始めることが気がかりなのです。

 

もちろんビジネスへの影響は大きいでしょう。それ以上にあの自由で温和でしかし発火点が低い人々の発火点がさらに低くなるのはちょっとやりきれないなと思うのであります・・・・。

 

 

 

 

ラマダン中の街はこのようにインドネシア国旗とお祝いの旗で埋め尽くされます。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki