コピルアックブロク画像

フェアトレードとは程遠い中部ジャワのコーヒー生産 その2

2014.6.17

さて、現在盛り上がっているワールドカップですが、私自身あまりサッカーに興味が無いので観戦はしていませんが、開催地のブラジルの物価が高いという話を聞き少し驚きました。

 

日本にもブラジルから出稼ぎの労働者が来ているため、てっきり賃金、物価共に安いとばかり思っていましたが実はそうではなく、日本よりも多少安いくらいというレベルだそうで、私のイメージとは異なりました。

 

ところで、Koki’s Kopi Luwakのコピルアクの産地であります中部ジャワ州の物価はどのようなものかと申し上げますと、感覚的には「かなり安い」と感じられるでしょう。私がよく利用するNasi GandulPatiの郷土料理)のWarung(ワルン=屋台)でお腹いっぱいに食べたとしてもだいたいRp12.000(日本円で約120円)くらいです。量は牛丼特盛かそれを少々上回るくらいに匹敵します。

 

米は上等なもので、だいたい1㎏でRp10.000は切るくらい。日本では5㎏で1700円くらいですが、こちらでは5㎏で500円程度です。激安です。

 

そのかわり賃金も安く、例えば高校卒業後に近所の大規模お菓子工場に就職した場合、月給がおおよそRp700.0007000円)くらいです。もちろん職種によって賃金は異なり、例えばPatiの中心地にある銀行(BNI)の受付の20代後半くらいの女性の給料は約Rp2.500.00025000円)と聞いたことがあります。

 

いずれにしても物価も給料もかなり安いといことになります。ちなみに余談ですが、ジャワ島というのはジャカルタを除けばインドネシア国内でも物価、給料共にかなり安く、スラウェシ島やスマトラ島のほうが給料が高いため、ジャワ島からそういった島々に出稼ぎに行くケースも多いようです。もちろんバリ島にも出稼ぎでジャワ出身の人々は大勢います。

 

さて、中部ジャワ州の都市部以外の主な産業というのは、農林水産業です。特に農産物はおそらく土壌の関係かもしれませんが、ジャワ島というのは農業に適しているようで、一部の農作物はその優れた品質ゆえに他の島々にも出荷されているという話です。しかもコーヒーなどはコーヒーそのものではなく、「土」を他の島に出荷していて、実際にPatiから一番近いコーヒーの産地でありますJolongでは、ビニル製の植木鉢に土を入れてそれを他の島に販売しています。

 

話を聞くと、植木鉢1つの土の値段がRp500という話でした。実際に作業をしている風景を見たことがあるのですが、本当にコーヒーが植わっている近くの土を掘り、ポットに入れるという作業で、かなり単純作業ではあるのですが量をこなす必要があり、意外と大変な労働力を必要とすることは良くわかります。

 

ところで、例えばPatiでこういった農業に従事している人はどういう人かというと、ほとんどが小作稼業をしている人たちです。毎朝近くのサトウキビ畑や田んぼに行き、作業をして畑のオーナーから給料をもらうわけですが、やはりこの労働はかなりきつい労働であるにもかかわらず賃金は相当安いという話です。転職しようにもPatiには職が無く、何か自分で給料を稼ぐための技術を身につけない限りは一生農作業に従事することになります。

 

さて、この農業の話ですが、私がPatiで暮らす中でいろいろな話を見聞きする中で思ったのが、「第三セクター」の力が非常に強いことです。第三セクターとは日本で言うところの「農協」に該当する半国営の企業で、コーヒーやコメなど、ある程度備蓄が効くコモディティーはこういった第三セクターが管理をしています。

 

「管理をしている」とはつまり、農家からコモディティーを買い上げて、市場に売るということなのですが、この支配力がかなり強く、農家と市場が直結できない状況が出来上がってしまっています。これが発生する原因の一つは生産者側のモチベーションの問題があります。つまり長年このシステムに慣れてしまうと、「新しい需要家を探す」という活動が面倒になってしまうのです。今現在私はコピルアクのビジネスをしていますが、ビジネスを広めるというのは大変な労力を要するもので、もちろん仕事量だけではなくお金も使います。つまりこれは「マーケティング」を行うということに他ならず、生産者はこういった活動に熱心ではありません。

 

そしてもう一つ、法律の問題があります。例えばコーヒーなどはインドネシアではありふれたコモディティーです。これを新しい国内市場を開拓しようとしてもおそらくうまく行く見込みは少ないでしょう。そのため販路を海外に見出す以外に手立てはなく、生産者はAlibabaのようなB to Bのマッチングサイトで需要家を見つけることになります。

 

ところが運よく需要家が見つかったとしてもコーヒーを輸出するというのはかなりハードルが高く、法律の規制で事実上新規で輸出をすることは出来ないに等しい状況です。まず生産者は法人化する必要があります。そして納税関連の証明書やその他書類を税関に提出し、輸出用の特別ライセンスを取得しなければなりません。このライセンスはコーヒー用のライセンスではなく、あくまでも輸出企業であることを税関に届けるものなのですが、それでも相当の費用が掛かり、なおかつ複雑な手続きを経てようやく取得できるものです。

 

ここまで来るのに期間としておおよそ6か月以上はかかります。おそらくこの時点で日本円に換算して40~50万円、場合によっては100万円近い費用が必要になる可能性があります。そしてこの後、コーヒーの専門の輸出ライセンスを取る必要があるのですが、これはおそらく普通の申請方法で取得するのは不可能でしょう。

 

私もいろいろな幸運が重なりこのライセンスを取得できたわけなのですが、費用も相当掛かりました。

 

この状況、つまり国内では売り先が見つからず、国外への輸出は事実上できないということは、結果として「第三セクターに頼るしかない」という結論になり、生産者の生活向上は望むべくもないという現状があります。

 

その一翼を役を担っているのが「仲買人です」。

 

次回このシステムに関して話を続けたいと思います。

 

私自身、酒はまったくといっていいほど飲めないのですが、知人が日本から来た際にSemarangのレストランでビールを頼んだところあまりにぬるかったので、「冷えたビールをください」と頼んだら、氷入りのピッチャーに瓶ビールを入れて出してくれました。

 

Ide yang bagus (ナイスアイディア)!!

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki