コピルアックブロク画像

コピルアックとインドネシアの発酵食品

2014.5.14

インドネシアではTempe(テンペ)という日常生活に登場する食品があります。インドネシアに渡った当初はあまりこのテンペが好きではなかったのですが、今ではこれにSambal(サンバル)をつけ、ご飯があればもう満足するくらいテンペが好きです。

 

このテンペ、大豆を発酵させて板状のものにしたいわゆる発酵食品なのですが、思えばいくつかの発酵食品がインドネシアにはあります。例えば上に出てきたSambalです。

 

サンバルはこれまた私が大好きな食品の一つで、テンペと同じく最初はとっつきにくかったのですが、今ではサンバルレストランに足しげく通うまでになっております。このサンバルのもとになるのは海老を発酵させたTerasi(トラシー)という食品で、まさに大量の小エビをすりつぶして天日干しをしただけのシンプルな食品。

 

 

 

こちらが製造過程のトラシーです。私が持っておりますのがエビをすりつぶす前の天日干しをしたもので、数日天日干しをして木の道具ですり潰します。これを常温で放置しておけば発酵(この場合は腐るとは言わないのです)し、上等なトラシーが出来上がります。

 

「発酵」と「腐る」の区別がなかなかつきにくいのですが、つまるところは食べることが出来れば発酵で、食べることが出来なければ腐っているという区分になるのでしょうか?いずれにしてもエビを天日干しすればそれは腐らずに素晴らしい発酵食品が出来上がるというのは間違えありません。インドネシアを始めタイやフィリピンでもこのエビの発酵食品は広く利用されています。

 

ところで、もう一つ今日は発酵食品のご紹介をしたいと思います。それは「チョコレート」です。チョコレートが発酵食品とはなかなかイメージがわかないかもしれませんが、本日お客様から頂いたカカオをふんだんに使ったチョコレートをいただき、ふと「チョコレートはお菓子ではないのではないか?」という考えが頭をよぎりました。

 

私たちが一般的に食べるチョコレートというのはものすごい数の処理工程を経て製品化されていますが、カカオのもつ素材の味というのはほぼ失われていると思います。今日このチョコレートをいただいてそれがよくわかりました。

 

コピルアクの生豆の産地でありますMuria山ではコーヒー以外でもカカオも収穫されていて、多くは東ジャワ州のSurabayaに運ばれています。ここでどの程度までチョコレートとして加工されているのか分かりませんが、そのおおもとになるカカオ豆というのは「果物」です。

 

詳細のカカオ豆の生産工程に関するお話は別の機会に譲りたいと思いますが、果物から取り出した種を発酵させるとカカオ豆が現れます。そのためカカオ豆というのはかなりの発酵臭がし、初めてこのにおいを嗅げば「ホントにこれがチョコレートの原料になるの?」と思われるでしょう。このにおいは、チョコレートとは遠くかけ離れた、エビを発酵させたTerasiの臭いに近いと思われます。

 

ちなみに以前Terasiを輸出しようとしたことがあったのですが、スマランの乙仲業者から「絶対ににおいが漏れないようにして!!」と何度もくぎを刺されました。つまりものすごい臭いにおいがするので、他の荷物にもにおいが移るのを心配していたのです。確かにこのにおいのパワーは何かしら他の貨物に影響を及ぼすでしょう。

 

カカオ豆の臭いはトラシーほどではありませんが、それなりに強烈なにおいがします。ホントにこれがチョコレートの原料?

 

ちなみにコーヒーも発酵の工程があります。赤い実の中からパーチメントを取り出す作業ですが、見た感じはカカオの発酵工程とよく似ていると思われます。このコーヒーの発酵工程がジャコウネコの腸内で行われた場合がコピルアックであります。つまりこのジャコウネココーヒーもインドネシアが誇る立派な発酵食品の一つというわけです。

 

コーヒーの専門家がコピルアックを飲んだ際にはやはり「発酵臭がする」というコメントをいただくことがあります。これはコーヒー一般的にはあまり品質が良い証ではないのですが、コピルアックがもつフルーティーな風味というのはまた独特で発酵臭と混ざり合い、不思議な味を醸し出す飲料というイメージになります。

 

コピルアック、テンペ、トラシー、カカオ豆・・・・。たぶん私の知らない発酵食品がインドネシアにはまだまだあるかもしれません。

 

以前暮らしていたLuboyo村の家の窓から見た空き地の風景です。バナナが自生しているのですが、このバナナの葉っぱがテンペとカカオ豆の発酵には欠かせません。バナナの葉についている菌が発酵を促進させるために必要なようです。発酵の世界も突き詰めれば面白いかもしれませんね。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki