コピルアックブロク画像

コピルアック生豆とインドネシアの税関職員

2014.3.16

私の好きな映画で「ウォール街」という映画がありますチャーリー・シーン演じるバド・フォックスがニューヨークの金融ビジネスで成り上がってゆくストーリーです。

 

この映画の中で出てくる老ディーラーがある場面でこうつぶやきます。「死と税金からは逃れられない」と。死は良くわかります。誰しも避けることが出来ません。ところが税金は?

 

実はお恥ずかしい話ですが、サラリーマン時代は自分が税金を払っているという実感が今ほどは強くなかったと思います。消費税は別にして、住民税や所得税は給料から天引きされるため何となく「そういうものか」で済ませていました。

 

ところが現在自分で会社を切り盛りしていると、「ここにも税金がかかるのか!?」とか、「こんなに税金をとられるのか・・・」と愕然とするケースがよくあります。脱税はもちろん犯罪ですが、どうにかならんかという気持ちになるのは事実であります。税金以外でも登記簿謄本や印鑑証明書を取るにも印紙を購入する必要がありますし、最近定款を変更したのですが、その手続きにもなんと3万円もかかりました。数か月前に住所変更もしたのですが、その際は2万円!!

 

会社の目的に1行別のビジネスを入れるだけで3万円!? 住所変更で2万円!!はちょっとかかり過ぎではないかと感じるのは私だけではないはずです。

 

これはインドネシアで起業した時も同じ状況でしたが、税額自体が日本の通貨感覚と比較すると安いためあまり気にしておりませんでした。例えば日本では登記簿謄本を得るための印紙は600円ですが、インドネシアではRp6000。日本円で約60円です。

 

60円ですと、まあこんなもんかで済みますが、それでも何だかんだと税金がかかることはインドネシアも日本も変わりはないでしょう。

 

ところで皆様がインドネシアやその他東南アジアの諸国に持つお役人のイメージはどのようなものでしょうか?おそらく「賄賂が通じる」「結構いい加減」「ゆるい」というものかと思います。以前私は貿易会社に勤務していたのですが、東南アジア関連の仕事に携わる前はこのようなイメージを持っていました。

 

インドネシアで起業し、お役人などとも接する機会がしばしばありますが、確かに上で述べました3つはあてはまるのですが、例外があります。それは「税」が付く役所です。

 

例えば「税務署」や「税関」です。こういったお役所は他の役所とはことなり一切の妥協がありません。特にこの傾向が最近は強いようで、以前同じ中部ジャワにある日系企業の方から聞いた話ですと、税金を払う際に担当の税務官にある程度のお金、つまり賄賂を渡せば何か問題があった際にうまいこと処理してくれたり、脱税の手助けをしてくれたりすることもあったそうですが、ここ最近は一切税の取り立てには妥協が無く、賄賂も通じなくなったとのこと。

 

これは税務署だけではなく税関も同じです。

 

インドネシアからコーヒー生豆を輸出するのはいろいろな規制がかかっていて一筋縄では行きません。どちらかといえば無理に等しい話です。武器弾薬、政治的に利用できるようなコモディティーでもないにもかかわらず、既得権の保護のために輸出を規制している節があります。しかも「輸入」ではなく「輸出」です。輸入なら宗教上の問題や国民の生活を守るといった理由で何らかの規制がかかってしまうのは理解できるのですが、「輸出」でこれほど苦労するとはコピルアックのビジネスを始める前はつゆほども思いませんでした。

 

コピルアックのビジネスを始めようと考えた最初の頃、どうやっても輸出をする方法が分からず相棒のイカサンと何とかしようとしていたところ、偶然私が拠点にしているPatiで、ジャカルタで税関の職員をしている知り合いがいるという人に出会いました。奇跡といってもいいでしょう。

 

この職員になにがしかのお礼をし、輸出が出来ないかをお願いしようとしたところ、この知人曰く「税関の職員は外部との接触が厳しく規制されているため無理な相談だ・・・・」とにべもなく断られてしまいました。

 

ご存じの通りインドネシアは世界第4位の人口を抱える大国です。このマーケットに何かを輸入しようと大勢のビジネスマンが躍起になっています。ところが輸出も輸入も様々な規制がかかっているためうまい具合に事が運びません。

 

例えば中古車などはその良い例でしょう。これからインドネシアでは車の需要はどんどん増えてゆくはずです。ところが中古車の輸入はインドネシアでは禁止されています。もっと申し上げますと、「中古」とつくものはほとんど輸入できません。中古コピー機、中古アイフォン・・・・。どれもです。

 

こんな時に税関職員に賄賂を払い無事に貨物を通関させてインドネシアの市場に中古品を流通させることが出来ればなんと素晴らしいことでしょう!!

 

冗談はさておき、これは実際に10年位前まではインドネシアではまかり通っていたことのようですが、今ではこれは不可能です。税関職員は大変な誘惑があるはずです。いまだかつて見たことも無いような大金を悪のビジネスマンから提示されれば、残念ながら魂を売ってしまう職員もいることでしょう。

 

これを防ぐためには税関職員と外部の人間がむやみに接触するのを避けることしか対策は無く、残念ながら私とイカサンの悪巧みも成功しなかったのであります。

 

今では何とかコーヒー生豆の輸出ライセンスの取得が出来、無事に日本へコピルアックを輸出しておりますが、数年前はこんな苦労も実はあったのであります。

 

さて、私の大好きなウォール街の話です。バド・フォックスともう一人の主人公、マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーはインサイダー取引でガンガンお金を儲けます。バドがこの違法取引をゲッコーから持ちかけられた時、彼はとても躊躇しました。そんな彼にゲッコーはこう言います。「バド、インサイドにいなければ永久にアウトサイドだぞ」と。

 

インドネシアの税関職員にこんなセリフを吐いておけばよかったかな~!!

 

 

悪の2人、私と相棒のイカサンです。しばしばジャコウネコを飼育しているMuria山に訪れます。この場所は標高が高くアラビカのコーヒーの木が見え始めます。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki