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インドネシアの貿易事情 1

2013.12.05

今、TPPの話題が毎日のように新聞に出ております。自国で保護するべき分野と他国が主張する関税率の引き下げ、撤廃が話題の中心です。

 

さて、TPPでは関税の問題だけではなく、いろいろな分野で域内の統一化が図られるとうことです。例えばTPPで決められた食品の表示が統一され、それが国内のスタンダードになった場合など、やはり気になる点はあります。仮に「米国産牛肉を米国産と表示しなくても良い」というルールが出来た場合、あえて米国産と記載する小売業者は少なくなるかもしれません。

 

とはいえ、関税が引き下げられ、食品表示のハードルが下げられたとしてもMade in Japanを選ぶ人は多いのではないかと思います。しかもTPPの基準で食品表示が決められた場合、日本の食品メーカーにとって厄介な問題が出てくるということも考えられるでしょう。

 

例えば食用油の問題です。実は先日仕事の事情で「病気がイヤなら油を変えなさい」という本を読みました。この本を読む前は油に関してなど全く気にすることは無かったのですが、この本を読んで自分の今までの食生活を大いに反省いたしました。

 

例えば「トランス脂肪酸」です。おそらく現在日本のスーパーなどに並ぶ食用油はほとんどが精製された油です。しかしこの本によると、こういった油にはトランス脂肪酸という有害な物質が含まれており、欧米諸国では既に表示義務を設けたり、レストランやファーストフード店などでトランス脂肪酸が含まれた料理を出してはいけないという規制を設定している地域もあります。

 

ところが日本では何も表示、規制に制限はありません。いくら有害物質が含まれていてもメーカーからしてみれば規制も何もないため大変楽なものです。

 

おそらくTPPが始まるとこの辺りの表示は義務化される可能性があり、日本のメーカーにとっては厄介なことになるでしょう。

 

いずれにしても良い面、悪い面がこのTPPにはあるのかと思いますが、関税が撤廃されるのは歓迎です。関税は当然国の政策に直結したいわば産業保護のための道具のようなものなのですが、是非消費者が利益にかなうような政策を検討してもらいたいものです。

 

ところで、弊社はコピルアクの生豆をインドネシアから輸入しておりますが、関税はゼロです。もちろんインドネシア産であれば他のコーヒー生豆に関しても関税はかかりません。

 

確かに輸入者やインドネシア産のコーヒーを販売する販売者からしてみるとありがたいことなのですが、インドネシアからコーヒーを輸出するというのは結構大変なのであります。

 

何度かインドネシアのコーヒーの輸出規制に関しましては記載したことがありますので、ここでは省略させていただきますが、コーヒーに限らずインドネシアから何かを輸出する際には必ず「輸出ライセンス」というライセンスを取得する必要があります。

 

これはNIK(Nomor Induk Kebeaan)と呼ばれるライセンスで、日本語に訳すると「輸出業者税関登録番号」という意味合いになります。例えばコーヒーを輸出しようとするとNIKにプラスしてコーヒーの輸出ライセンスを取得する必要があります。生豆、焙煎済みのコーヒーどちらも同じで、少量であろうとコンテナであろうと、このライセンスは必須です。

 

それ以外でも木材やある特定の穀物などは特定商品としてコーヒーと同じような輸出のライセンス取得が義務付けられています。

 

一般的には輸入に規制がかかっていることは良くある話で珍しくは無いのですが、ごくありふれた商品で輸出に規制がかかっていることは大変珍しく、ある意味でインドネシアは貿易事情に関しては特殊な国と言っても良いでしょう。

 

日系の在インドネシアの乙仲業者(通関業者)と話すことがあるのですが、彼らは皆、「輸入よりも輸出のほうがインドネシアは難しい」と言います。

 

ASEANの中心国ともいえるインドネシア。しかしTPPにはもちろん参加表明はしておりませんし、この特殊性からも参加は不可能でしょう。もちろんイスラム教徒が多いため食品の輸入には特殊なライセンスが必要です。TPPで食品表示が統一されればえらいことになるのは目に見えています・・・・。

 

次回、貿易の話題を少し続けたいと思います。

 

コピルアクの生豆は、精製所があるPatiという街から州都のSemarang(スマラン)に運ばれます。Semarangは大きな国際港があり、各国からの船が出入りする商業都市です。写真はSemarangではなく、西ジャワのボゴールという都市の朝の渋滞風景です。インドネシアの都市部ではどこでも見ることが出来る風物詩です。

 

Samapi Jumpa Lagi,

Koki