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コピルアック(コピルアク) おいしいコーヒー 豆の質は?

2012.10.09

ずいぶん昔、私がまだインドネシアに渡るよりはるか前、ある大手メーカーの工場で中規模の事故がありました。

 

その工場は、私が担当していたお客様でした。幸いなことにけが人がなく、ラインが止まってしまうほどの事故ではなかったのですが、一歩間違えば大きな事故につながる可能性のあるものでした。

 

この事故は私にとって一つの教訓を与えました。それが「現場の大切さ」です。

 

事故原因は一見すると非常に単純なものでした。安全点検をしなくてはいけない箇所がチェックリストから漏れていたのです。ところが過去にも同じようなことは発生していたのですが、事故になる前に現場の作業員が技術的な対策をとっていたのです。こういった対策にマニュアルはなく、現場の担当者が代々引き継いでいたものでした。

 

しかしながら、この工場はある時期大幅に人員削減を行いました。それにより、現場作業に従事していた人々もほかの部署に異動になぅてしまう状況が発生してしまいました。その穴を上層部はマニュアルで補おうとしたのです。

 

これが完全に裏目に出てしまいました。誰が見ても一目瞭然の素晴らしいマニュアルを作っても、技術の継承を完全に引き継ぐことは出来なかったのです。

 

私自身マニュアルを作ることは否定しません。しかし現場で培った本当の力をマニュアルに置き換えることはとても困難なことだと思っています。

 

私どもが行っているコピルアックの精製の仕事も製造業に属します。Keletの養猫業者に最初はいろいろ教えてもらい自分たちの敷地で精製作業をスタートさせましたが、最初はなかなかうまく行きませんでした。

 

しかしながら、この作業を自社で取り込むことにより、いろいろなことがわかってきました。これは作業現場で得られたノウハウともいえるかと思います。

 

例えば昨日の続きです。

 

実は野生のジャコウネコからとれたコピルアックはおいしいというイメージを持っていました。そのため飲んでおいしくないものは野生のジャコウネコからとれたものではないと決めつけていました。これを証明しようとすると、自分で山の中に入りジャコウネコのフンを探し、それを自分で洗い、精製し、そして焙煎するしかないにもかかわらずです。

 

ところで、実際にKeletの養猫場から購入したフンつき豆を見てみると面白いことがわかります。

 

多くの豆は「パーチメント」にフンがついている状態ですが、しばしば「赤い実」にフンがついているものがあります。

 

以前この章で「ジャコウネコはペッと皮を吐き出して中のパーチメントを飲み込む」と記載しました。しかしながら猫の中でも「ある猫」は皮を吐き出さずに赤い実のまま皮ごと飲み込んでしまいます。そして赤い実が消化されずフンと一緒に出てきます。

 

ところが、この赤い実と一緒に出てきた豆を精製してみると、どのようになっているのかというと・・・・。

 

実はこの多くが「不良豆」といわれる豆で、商品としては使用できません。色は黒っぽく変色しております。写真もあるのですがちょっとお見せできるようなものではないので、控えさせていただきます。

 

製造工程をこなしているうちに「赤い実を精製しても中は不良豆」ということがだんだんわかってまいりました。なぜ赤い実のままの食べる猫と皮を吐き出してパーチメントを飲み込む猫がいるのか不思議でした。

 

そこでKeletの養猫業者とこの問題について協議をすることにしました。と申しますのも、弊社はKeletから「1㎏につきいくらと」いう取り決めでフン付の豆を購入しています。そのため商品にならない豆が多く混ざっていると弊社が損をするわけです。赤い実のまま出てきた豆は購入対象から取り除きたいので、それが可能なのかどうかを知りたかったのです。

 

その前に一度、赤い豆とパーチメントからとれた豆とを精製し、一緒に焙煎して飲んでみることにしました。

 

・・・・。結果は想像した通りあまりおいしいものではなく、パーチメントからとれたものだけを焙煎したほうが良い味だと感じました。

 

これは興味深いことでもあり、かつ弊社の利益向上のためにもこの謎の究明が必要でした。

 

Keletへ行く車の中で相棒のイカサンが私に尋ねました。「ねえ、Kokiは赤い実を食べるジャコウネコと皮を吐き出す猫がいるの、どうしてだと思う?」と。

 

私は彼に言いました。「インドネシア人アは鶏肉を料理して頭からつま先まで食べるでしょ、だけど日本人は頭とつま先は食べないんだよ。それと同じで、例えば中部ジャワの猫は赤い実丸ごと食べるけど、西ジャワの猫は皮を吐き出して中身だけ食べるんじゃないのかな?」

 

イカサンは私の答えに反応することなく、娘に電話をかけ始めました。Keletではみんなが我々の到着を待っています。

 

                       

これは洗浄後の乾燥工程です。ブルーシートの上と奥のざるの中にあるのがパーチメントです。

 

手前のざるには赤い実の豆とパーチメントの豆が混在しています。この中から乾燥後に選別をします。見えずらいのですが、右側の白いシートの上に少しだけ黒く見えているのが赤い実です。

 

Sampai Jumpa Lagi,

Koki