コピルアックブロク画像

おいしいコーヒーの本物偽物

2012.10.08

以前、仕事で上海に行ったことがあります。同行してくれた中国人の担当者が「向こうに行くと面白いところがある」というので行ってみることにしました。 

 

もう10年位前の話です。

 

当時中国は経済成長の真っ盛りで、どんどん外国系企業が工場を建てていました。また外国人観光客や地方からの観光客もかなり上海に来ていたと記憶しています。

 

彼が連れて行ってくれたところは通称偽物ロードと呼ばれる小さな地区でした。見たところ、繁華街の中にあるごく一般的な土産物店といった感じですが、奥に入るといろいろなブランド物の偽物が並んでいます。

 

しかもお客が次から次へと絶え間なく偽ブランド目当てに入ってきます。たいていは誰かに連れられてここまで来ているようです。おそらく連れてきた客が何かを購入したらエスコートした彼にいくらかマージンが入るのだと思います。

 

インターネットの業界ではこのエスコート役にあたる人をアフィリエイターというのだと思います。よく「これを飲んだら1週間で○.○㎏痩せた!!」という日記風記事、もしくは体験記風記事を読むことがありますが、あれと同じような感じです。

 

実はインドネシアのコピルアック業界にもこういったアフィリエイターがいます。

 

「このコピルアクを飲んだらほかのものが飲めなくなった!!」とか言う類のもので、彼らのブログはその手の記事で埋め尽くされています。

 

その中でも一つ手の込んだアフィリエイターと疑わしき人がいました。

 

彼はスマトラ島のある地域に住んでいる普通の人です。ところが彼はコーヒーを飲むとお腹が痛くなる体質だそうです。そのためコーヒーを飲むことは避けているのですが、あるとき知り合いのコピルアック業者がくれたコピルアックを飲んでみたところ、あら不思議「おなかが全然痛くならなかった!!」とのこと。

 

つまり彼はコピルアックであればコーヒーを飲んでもお腹が痛くならない性質なのです。またこれを突き詰めてゆくと「彼の特異体質がコピルアックの本物、偽物の鑑定を可能にさせる」ということになります。

 

このビジネスで最も大切なのは味だと思っています。しかしそれが偽物であれば高いお金をかけてコーヒー豆を購入する意味がありません。

 

自分たちで精製を手掛けると決める前に、どこからコピルアック生豆を購入しようか迷っていました。生豆のサンプルもいくつか入手しておりました。

 

彼のブログの書き込み欄を見ていると「私が購入しているコピルアックが本物かどうか鑑定してください」とか「あなたが飲んでお腹が痛くならないコピルアク業者を紹介してください」というコメントがまさにあふれんばかり投稿されています。

 

私もついその気になり彼に連絡を取り、手元にあった4~5個のサンプルの鑑定を依頼してみることにしました。鑑定料は取らないとのこと。

 

こちらで焙煎をし、スマトラ島の彼に送り、10日ほどたったころ彼から連絡が来ました。鑑定結果は「全部偽物。おそらくほかの豆を混ぜてあるだろう。サンプルAは30%の本物と、70%の偽物。サンプルBは・・・・・・。味も全然本物ではない」とのこと。畳み掛けるように「あなた方だけにとっておきの正真正銘本物、僕が飲んでお腹が痛くならないコピルアックを紹介する」と。

 

彼がさぞお腹を痛くしたであろうと気の毒に感じつつ、全部偽物とのご神託を受けた以上、わらにもすがる気持ちで「ぜひ紹介してください!!」と彼が飲んでもお腹が痛くならないコピルアクのサンプルを依頼したのであります。

 

すぐさまスマトラ島からサンプルが届き、焙煎をして期待に胸を膨らませて数日後飲んでみたところ、味は「???」。鑑定を依頼したサンプルのほとんどとあまり変わりがないではありませんか。何が違うんだ!? 我々が送ったサンプルで本当にお腹がいたくなったのか?

 

その時イカサンと「彼はひょっとしてアフィリエイターだったんじゃないか?」という結論に達したのであります。

 

確かにコピルアックの「生豆を購入する人」にとって、本物か偽物かという問題は重い問題です。これは科学的に証明する手立てがない以上、どうすることもできず購入者にとっては弱みになります。そんな中でスマトラ島の彼のような「鑑定士」がいればすがりたいと思うのは当然です。

 

彼の体質が本当なのか、また彼がアフィリエイターなのかはわかりません。ただ、言えることはコピルアックを飲んだ場合、スマトラ島の彼のように「(味は別にして)普通のコーヒーとは違う」という反応を示す人がごくごくまれにいることです。

 

例えば「コーヒーを飲むと動悸が速くなるが、コピルアクは動悸がしない」とか、またその逆の人もいました。

 

インドネシアでかなり多くの人にコピルアクを飲んでもらったのですが、その中の数人からはこういったコメントがありました。

 

「偽物をつかまされないようにするにはどうしたらいいんだろうか?」とさらに考えさせられる出来事でした。

 

                       

ジャコウネコではありません。Panjunanの事務所の裏で、変な格好で寝ていた普通の猫を激写しました。

 

Samapi Jumpa Lagi,

Koki